第128回「“水”の飲み方を変えた岩手県にある住宅会社の小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「“水”の飲み方を変えた岩手県にある住宅会社の小さなブルーオーシャン」


「1つのアクションで10のソーシャルグッドを生み出す」

日本は世界でも珍しく
水道水を衛生的に飲める国です。
しかし、臭いや味が苦手で、
日常生活で飲む水には
ウォーターサーバーを契約したり、
ミネラルウォーターを購入したり
しているという方も多いでしょう。

水道水の臭いや味の問題を解決し、
かつ水道水を飲めば、
ペットボトル削減や森林保全、
災害対策、地域経済の発展に
貢献できると言われたら
どう思われるでしょうか?

「水道水を飲むだけで
どうしてそんなことが?」

と思われるかもしれませんね。

水道水を入れたボトルや水差しに
炭を入れることで、
炭にあいた孔が水道水に含まれている
塩素や不純物を吸着し、
独特の臭いがなくなる
ということはよく知られています。

この “浄水炭”が、2か月単位で
定期的に届くサブスクリプション
を始めた会社があります。

岩手県久慈市にある株式会社クジラテラス
という住宅会社です。


浄水炭のサブスクリプション「SUMITCH」
画像の出典:株式会社クジラテラス

同社は住・食を通して
人生の豊かさを追求する
事業を展開し地域に貢献する
という考えがあり、
この浄水炭事業を通じて
前述した、ペットボトル削減や森林保全、
災害対策に地域経済の発展などに取り組む
というのです。
しかも、この浄水炭を使って水道水を飲む
という1アクションによって、
10個ものソーシャルグッドを生み出すと
言います。

① 水道水が、木炭のチカラでおいしい水に変わる
② ミネラルウォーター(ペットボトル)よりも低コスト
③ ペットボトルの使用量が減り、プラゴミが減り、CO2排出量も減る
④ 使用済みの浄水炭は再利用が可能
⑤ 木炭製造が、地域の伝統産業、地域経済に貢献
⑥ 木炭製造が活発になり、新しい雇用が創出される
⑦ 木炭製造が活発になれば、山林の整備が進む
⑧ 山林が整備され、森が循環し、木が吸収するCO2量が増える
⑨ 整備された山林が増えると、山の災害が減る
⑩ 環境貢献値が「見える化」されて、続ける意味や目的が明確になる

すごいですね。

浄水炭というものは
簡単に手に入るものでしょう。

しかし、
我社の浄水炭を使うと、
あなたも、私たちも、そして世界も
良くなると言われたら、
多少値段が高くても、
選択するのではないでしょうか?

人は、値段が安いから買う、
高いから買わない、ということではない
という小さなブルーオーシャンの事例だと
思います。

なぜその商品やサービスを
使わなければならないのか?
という理由に納得すれば、
値段が高くても買うということでしょうね。

────────────────────────────
日本初の浄水炭サブスクリプションサービス「SUMITCH(スミッチ)」
URL https://sumitch.jp/
製造元:株式会社クジラテラス 〒028-0041 岩手県久慈市長内町19-152
────────────────────────────

 

著者の他の記事を読む

 

佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

感想・著者への質問はこちらから