泉一也の『日本人の取扱説明書』第7回「卑弥呼に学ぶ」
著者:泉一也
日本でビジネスを行う。それは「日本人相手に物やサービスを売る」という事。日本人を知らずして、この国でのビジネスは成功しません。知ってそうで、みんな知らない、日本人のこと。歴史を読み解き、科学を駆使し、日本人とは何か?を私、泉一也が解き明かします。
日本で最初にできた国は「邪馬台国」(2〜3世紀)と習った。そのトップに卑弥呼という女王がいたという。不思議に感じなかっただろうか?なぜ国名に「邪」がつき、リーダーに「卑」という陰気な言葉が入っているのか。
この国名の出典は「魏志倭人伝」。魏志倭人伝とは『三国志』の「魏書」中の「東夷伝」にある。東夷とは東の蛮族という意味である。
推測の域を出ないが、「やまとのくに」と日本人が言ったのを中国の人たちは邪(や)馬(ま)台(と)国と当て字にした。そして日本国のトップ「日の御子(日の巫女)」を卑弥呼と当て字にした。蛮族にはそういった漢字がちょうどである。もしくは倭人の使者たちが魏の王様のご機嫌を伺うため、卑下する当て字を探したのかもしれない。
それはさておき、権力争いで荒れていた国を一つにした卑弥呼から学べることはないのだろうか。女性のリーダーが日本史上初の国主とはどういうことだろうか。ちなみに神道の最高神である天照大神も女性である。皮肉なことに現代では、議員に役員に女性があまりにも少ないとか、女性の首相は今尚誕生してないとか、女性活躍推進をせねば・・など真逆の状態にある。
男性と女性の違いから解いてみよう。男性は狩猟の役割を果たすため、計画と戦略をもとに、身体能力を高め獲物を獲ってきた。目標設定、戦略思考、解決型行動という3点セットが本来の得意領域である。草食男子といって男子がおとなしいのは、狩猟せずとも生きていける環境なので、本来の能力が目覚めてないだけである。この狩猟の能力は時に人間同士の戦いでも発揮するので、戦争では男性が活躍した。一方、女性は出産と子育ての役割があったから、共感と受容と支援のコミュニケーションが得意領域である。