こんにちは。中小企業のブランドづくりを支援するBFIブログ編集部です。
今回は安田のツイートからご紹介します。
商品があるか無いかの境目は、物があるかどうかではなく、物にまつわるストーリーがあるかどうかだ。開発ストーリー、ネーミングにまつわるストーリー、そして顧客の生活と密着したストーリー。ストーリーを編集し、面白くし、伝わりやすくするのが経営者の仕事だ。社長の仕事は映画監督のようになる。
— 安田佳生 (@yasuda_yoshio) September 24, 2012
これを読んで筆者の頭に真っ先に浮かんだのは、「ポカリスエット」のストーリーでした。
「点滴液を飲み物にできないかな」という最初のアイデアがあり、ジョギングブームとともに「汗の飲料」として開発がスタート。失われた汗の成分を手軽に補給できる飲み物を目指したそうです。
しかし簡単にはいかず、汗の成分を再現しても苦くておいしくなく、試行錯誤すること2年。
試作品が1000種類を超えた頃、
研究室では『汗の飲料』と『柑橘系粉末ジュース』の試飲が行われていました。
しかし、どちらもなんだかまずい…。
その時、社長が「出来そこない同士、混ぜたら面白いのでは?」と混ぜて飲んでみるとこれがおいしい!
研究員たちも次々と混ぜ出し「苦みが消えてる!」「柑橘系のおいしい苦みが汗の飲料の嫌な苦みを隠したのかな!」とみんな笑顔に。
こうして偶然の発見から、『汗の飲料』の開発は大きく前進したのでした。
「まずい」×「まずい」=「おいしい」というのは興味深いですね。偶然とのことですが、筆者には、必死の試行錯誤があったからこその発見のように感じます。
最終的には、糖度濃度の薄いタイプと濃いタイプの2つに絞られ、どちらに決めるかで山登りを実施した、というエピソードもあります。
販売も決して順調ではありませんでした。
爆発的なヒットになるまで2年かかっています。
初年度には、汗をかいた人をターゲットに、3000万本のサンプルを配って歩いたそうです。
他にもポカリスエットは、缶のデザインに飲食業界ではタブーと言われたブルーを採用するなど、多くのストーリーを持っています。
これらの話は大塚製薬の公式サイトで紹介されています。3ページにわたる長編ですが、非常に興味深く面白いので、あっという間に読めてしまいます。
このストーリーの見せ方も含めて、ポカリスエットが愛され続ける理由なのかもしれませんね。皆さんはどのように感じましたか?