しかし、たとえば社長が、
感動させるサービスを提供したい、
というのであれば、
かつて、社長は何にどう感動したのか。
あるいは、どんなサービスにうんざりしたのか。
なぜ、なにがあって、いつ、
感動を追求することを決心したのか。
その感動とはいったい何か。
そこを聞かなければ、
社長が考える感動サービスを
社員に伝えることも、ひいては
お客さんに届けることもできない。
チープなお題目で終わる。
なぜなら、感動サービスに至る考えが、
現代史=物語になっていないからだ。
現在ただいまの考えを
まっすぐ社員に伝えようとするからこそ
現在に至る過去を一本の線で
つなげなければならないのだ。
今という「点」は、まさに点にすぎず、
なんの文脈もない。
脈絡のない言葉は、説得力を持たない。
共感を生まない。
社長のこれからのメッセージに、
命を吹き込むためには、
『これまでの物語』という
土と根を与えなければならないのである。
現在は、過去を背負っている。
現在は、過去からつながる未来を、両の手に抱いている。
引きはがそうとすれば、現在は限りなく点になる。
点に、カタチはない。
社歴をまとめよう。
社長の今の考えに物語をのせよう。
社長のメッセージに、
人が触れることができる
確かなカタチを与えよう。