【コラムvol.34】
パラドックス・パラダイス。

東日本大震災により、
“絆”というコトバが
社会に広く伝播した。
人同士の絆を大切に。
他者に関心を。
そんな価値観は
すばらしい側面もあるが、
負の側面も生んだように思う。

他者とは、家族、友人や知人、
自分の会社の人のことだけでは
もちろんない。
広い視野で考えれば、
それは他者というより身内であり、
他者というのはむしろ、
それ以外の人のことだろう。

しかし、他者が近距離の身内に
規定されることで、
絆社会、と言われるほどに、
逆に身内びいきで、
身内外には冷たい社会になっていく。
そんな逆説やジレンマを感じなくもない。

あの“忖度”は、身内の絆、
身内びいき、身内外攻撃が
生んだものだし、
沖縄の痛みは他人ごとで、
関心がない人の方がずっと多い。

政治は国民を包摂するものだから、
他者との絆を大事にするなら、
政治への関心も増えるはずだが、
現実はそうはなっていない。

採用市場の活況が歓ばれている。
新卒採用の過熱で
若者は早期内定。
おめでたい。

しかしそれは、
年齢差別である
新卒採用の話。
企業の新卒第一主義のおかげで、
子育てが終わった主婦や
卒業後ブランクのある人の就職や
40代50代の転職は
相変わらず厳しい、という
逆説やジレンマがある。

新卒者も、
いずれ中高年になる。
採用における年齢差別は、
若い人にとって、
“痛みの後ろ倒し”に
なりうるのである。

愛社精神、というコトバに
抵抗をおぼえる人は多いだろう。
僕もそうだ。
反射的に、社畜とか、
滅私奉公型の働き方の
イメージとつながる。

橘玲氏によると、
日本人は国際比較でも、
自分の会社が嫌いな人が
ものすごく多いそうだ。

日本人はなぜ自殺するのか?

愛社精神というコトバは好きでない。
そんなものに囚われない方が、
幸せになれる気がする。
でも本当は、
働く会社のことが好きな方が、
人は幸せに仕事ができる。
そんな逆説とジレンマを、
日本人は抱えているようだ。

逆説やジレンマは悪くない。
ジレンマが、
考える足掛かりをくれる。
人間はいつの時代も、
どこかでねじれ、
何かと何かの板挟みになり、
相反するものに直面し、
葛藤しつづける生き物だろう。

社会同様、
会社もジレンマの宝庫だ。
パラドックス・パラダイスである。
情報と知識を交換しながら、
話し合えるならば、
じつにおもしろい場所なのだが


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【ハッテンボール・グループ 代表取締役 伊藤英紀】
企業表現コンサル/コピーライター 1961年生
広告学校と大学をダブルスクール。㈱リクルートで、バイトなのに制作チーフを務めたのち、同社契約コピーライターに。1990年 前身 伊藤英紀事務所を創業。※元ワイキューブ取締役
有限会社ハッテンボール ◎創業1990 ◎設立2006 ◎資本金1000万円 〒169-0073  東京都新宿区百人町2-27-7 ハンドレッドステイレジデンス1108 ℡03・6698・4863
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