泉一也の『日本人の取扱説明書』第80回「建前の国」

泉一也の『日本人の取扱説明書』第80回「建前の国」
著者:泉一也

このコラムについて

日本でビジネスを行う。それは「日本人相手に物やサービスを売る」という事。日本人を知らずして、この国でのビジネスは成功しません。知ってそうで、みんな知らない、日本人のこと。歴史を読み解き、科学を駆使し、日本人とは何か?を私、泉一也が解き明かします。

日本で活躍するベトナム人に聞いてみた。

「日本でビジネスをする上で難しいと感じることは?」
「ウーン、日本人は本音と建前が違う。これがムズカシデス。」

ちょうど同じタイミングでfacebookの「ベトナム日本交流」というグループにて、ある日本人が「なんで、ベトナム人は言いたいことはハッキリ言う文化があるのですか?」と投稿したところ、日本人とベトナム人双方合わせて202件ものコメントが上がった。それだけ多くの人が違いを感じているのだ。

日本ではストレートにものを言わず、遠回しに発言をする。「言わずもがな」という言葉があるように、言わずに読み取ることで円満にものごとを進める。それが本音と建前である。さらに言わないけど伝わることで信頼関係を確認できるのだ。略された用語を使って会話をする「業界用語」を使うと仲間として認識されるのに似ている。

本音と建前は、この狭い国で争わないために開発したコミュニケーション技術である。高度な技術であるため、外国人に難しいのは当然だろう。というか現代の日本人にとってもムズカシイものになってしまった。

感想・著者への質問はこちらから