質問いきます。「税理士として開業して3年がたちました。創業当初は創業どうしという関係から、ベンチャーなど年数の浅いクライアントを中心に増えていきました。しかし、時間軸とともにクライアント数も増えてくると、ある矛盾に気がつきました。創業系の案件は顧問料が安いのに制度も何も整っていないうえに経営者や経理の経験も浅いため、作業をやたらととられる。一方で、ある程度の規模に成長していったりレガシー系の企業は社内体制も整い、優秀な経理担当などがいるため、顧問先としてはむしろ生産性が高く、利益率も高いです。この顧問料と実態のバランスの矛盾について、大久保先生はどのように折り合いをつけて考えられていますか?ベンチャーなどは勢いもあり応援したい気持ちもある一方で社員たちが疲弊する傾向もあり、甚だ悩ましい現実に悩まされております。よろしくお願いいたします。」
はいはいはいはい。
これは経験者じゃないですか。
ああ、そうね。でも、知ってたからね。だって、当たり前やん、そんなん。勤務時代に知ってたでしょ。
あ、勤務時代ね。
だから取らなきゃいいのよ。
あ、なに、開業したタイミングで取ってなかったんですか?そういうの。
取ってない。面倒くさいもん(笑)
素直(笑)
いやいや、応援したいっていうのはわかるよ。そういう意味では、なんか……まあ、逆にね……そうね……いや、応援したい……応援したければやってるかもしれない。だから、それは折り合いをつけるしかないよね。
おーおーおー。
折り合いをつける……折り合いはつけてないな。やりたいからやってるか。「顧問料が安いのに」っていうのが、やっぱりいちばん引っかかって。「顧問料を安くしてんのは誰ですか?」って話だよね。
税理士のほう、ということですか?
うん。だって、顧問料は開業してるこのなんとかさんが決めてんだよね。
ですよね。
だから折り合いつける必要ない。高くするなり何なりをすればいいと思うんだけど。
なるほど。「どのように折り合いをつけて考えられていますか」と。けど取れない。
どこが問題なのかってことだよね。
うんうんうん。
優秀なところを取りたいのか、それとも応援したいからそっちを応援したいのか。
はいはいはい。たしかにね。大久保先生の場合は、そういうとこは折り合いをつける前に「取らない」っていう方針なんですね。
ああ~いや、一部あはるけど、基本的には、経理状況とかを確認して取るべきだよね。まあ、完全にこれ税理士向けの話なんだろうけどね。
いやいや、税理士の先生の質問ですからね。
うん。で、だめだったら「これやらなかったら入れないよ」ってやるしかないよね。たとえばfreeeを導入すんのに導入費用も取るし。だいたいベンチャー系ってクラウド会計とか好きだから、「そういうほうがよくない?」って言って、「スマホで見れるんよ」って言って。どうせ見ないけどね(笑)。そうやって言ってくと、整えようとするじゃん?
はいはいはい。
freeeって結局、基本的には自分でやってもらうわけだから、記帳代行する部分もあるけど、基本社内で整えて、そこに乗っけて整えてもらうっていうスタイルだからさ、そういうベンチャーを取っていくなら、そういう仕組みをつくっていくしかないんだろうねとは思うけど。
あ~、なるほどなるほど。
まあ、俺はあんまりそういうのあれだけど、得意ならそういうのをやっていって、そこに乗せていってパターン化していく。当たり前だけどね。だいたい、べつに業務フローなんて、中小企業はいちいち自分でつくる必要はないんだからさ。今までないからテキトーにやってるだけだもんね。グチャグチャなとこはあるけど、わかんないから、ただ「Excelで請求書出して……」とかやってるだけでしょ?「来たのを集めて送って……」とか、「領収書もわかんないから、いっぱい集めて」みたいな。カード切れよ!みたいな。その一言いったら、お互い楽なのにね。ゴチャって領収書送られてくんのを、そのままホーチングするからね(笑)
(笑)
いやいや、まじで。
うまく使うね。はいはい、たしかに。たしかにね。
かわいそうだよ、お互いに。グチャグチャになるのはこちらにも責任があるっていうことを考えなきゃいけないよね。だから、顧問料安くてもやれるというビジネスモデルだから取るっていうことを考えて取らないと、あなたが成長を阻害してる可能性もありますよっていうことだよね。
あ~、設計とかもするのはこちら側がやればよろしいと。こちらっていうか税理士の先生側が。
そうそうそうそう。税理士側が提供できるパッケージにして、応援できる価格、要は社員が疲弊しない価格が取れればいいわけでしょ。
うんうんうんうん。
それの問題。だから折り合いはつかないよね。
なるほどね。
逆にいうと、ある程度の規模のほうはむずかしい税務とかあるから、社員が対応できない問題もあると思うんだよ。だから、両方やるのがはたして本当にいいのか。まあ、やりたければやればいいんだけど。「うーん、どうかな?」というのはあるよね。事務所の方向性と、あと、現実的に取れるのかどうかって問題とね。
ああ、なるほどね。いやいや、この話は決して税理士だけじゃなくて、創業のタイミング、どのお客さんを取るかって話でいえば、まあ同じですよね
たしかに(笑)。まあ、それでも「流れ上どうしても」みたいなところはあったりはしたけど、やるべきじゃないところはきちんと「やらない」って言う……まあ、初めはしょうがないけどね。それで借り入れで乗り切ったっていう感じはあるから、うち(笑)
……(笑)
借りんのかよ!みたいな(笑)。赤字なのかよ!って。
すごいですね、税理士事務所で赤字で借り入れで乗り切ったって聞いたことないっすね、立ち上げで。
だって人いたから。ひとりでやってたら大丈夫だろうけど、ひとりじゃできないから(笑)
いやあ、その話聞いたことあるなあ、一緒にスタートした方に。「お互い案件がバカバカ取れだして、『お互いこれで給与上げれんな』って話をケータオークボとしてたら、あいつがいきなり飲み出して、『誰々ってやつがどうしても一緒に働きてえって言ってんだけど、うれしいじゃん?俺ら給与もうちょっと我慢して入れようぜ』って話をされたときに、『だめ』って言えなかった」って話を感動しながら聞きましたけどね。
ごめん、そのくだり、俺、1ミリも覚えてない。
いや、いなかったんじゃないかな。
いやいや、そんなこと言った記憶がない。
あ、言ったのが?
うん。やばいね。やっぱアルツハイマーだね(笑)
アルツハイマーじゃないでしょ(笑)。単なるアル中なんじゃないですか。
(笑)。いや、アルツハイマーだよ。ほんとに覚えてないもんね。そうね、たぶん言ったんだろうね、酔ってたからね。
いやあ、でしょうね。
うん。
なんとなくでしょうね。
だいたい覚えてないから。
その方はいま社員でいるのか・いないのか、わかんないですけどね。
いないよたぶん(笑)
ということで折り合いではなくて、自分たちの会社の方針を決めてかないと、ここの話は解決もできないし、主導するのはこの税理士の先生側ということですかね。
そうね。そこに関与してるのは自分だと思うし。それでもだめだったら、そこに乗ってくれないなら、もうやめたほうがいいんだろうしね。
はいはいはい。
っていうのをきっちりしたほうが、やっぱり使われちゃいけないし、だからってちゃんと指導しなきゃいけないし、みたいな。そんなことを最近ちょっと現場に入ると思うよね。
最近ね。現場にちゃんと向き合ってるように感じますし、生々しい話も最近また増えてますもんね。
え?
「M&Aのあのときにさあ~」みたいな。
ああ、そうね。
そういう話もいろいろしていきたいと思いますが、ということで、ぜひ生かしていただきたいと思います。
やってみてください。
はい。ありがとうございましたー。
ありがとうございまーす。