第109回「ハヤブサ零」

このコラムについて
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未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第109回  「ハヤブサ零」

ウチの娘は体が大きく、運動神経も悪くないので運動をさせたいとずっと思っていたのですが、親と遊ぶ方が好きで、地域のスポーツチームにも、スポーツ教室にも行きたがりません。
それでも運動をさせたい私は、自宅にあるプチ鉄棒での練習では上達に限界を感じていた娘を焚きつけ、スポーツ教室の体験をさせました。初めは、しぶしぶといった様子でしたが、女性コーチが気にいったようで、即入会。親の狙い通りの展開になりました笑。

娘が通い始めたのは、“科学の力で運動能力を伸ばす”ことを掲げる「忍者ナイン」というスポーツ教室です。運動の基礎となる9つの動作(走る、投げる、跳ぶなど)について、スポーツ科学に基づいて教えています。https://www.ninja9.jp/
例えば、ボールを投げる動作ひとつをとっても、「ステップ1:足を閉じて、右手を上げて下ろす。」「ステップ2:左手を前に出し、右手を下ろすときに、左手を胸に持ってくる。」「ステップ3:・・・」のように、投げるという動作をさらに細かい動作に1つ1つ分解します。細分化された動作の1つ1つは、誰でもできるような動きなので、それぞれのステップを踏んでいけば、自然と「投げる」という動作が出来るようになるという訳です。
ちなみに、スポーツを研究している東大名誉教授が監修しているらしいです。今のスポーツ教室って、すごいですね笑。

未来コンパスが指すミライ

さて、そんな指導に優れた忍者ナインは、運動用具も監修しています。縄跳びができずに泣いていた娘が買ったのが、この「ハヤブサ零」です。

最大の特徴は、縄を覆うビニール製のチューブです。チューブが適度な「重り」となり、遠心力を生み出します。100均の縄では頭すら越えなかったものが、遠心力で縄が回しやすくなったことで、特別な練習なしで、数回とべるようになりました。
値段は約1500円。縄跳びにしてはかなり高額(100均の15倍!)ですが、試しに使ったときに、嬉しそうに飛んでいる娘の様子を見て、思わずお金を払ってしまいました^^;1回コツをつかむと上達するのが運動なので、初期のハードルを超えさせてくれたことにお金を出したといったところでしょうか。

さて、特徴的なハヤブサ零はきっと知財で保護されているのだろうと調べてみましたが、権利を確認できませんでした。遠心力で縄を回しやすくする技術を特許権で、あるいは、特徴的なデザインを意匠権で保護しているかと思ったのですが、いずれも登録されておらず、名称についても商標登録されていませんでした。

類似する意匠は登録されておらず、公知デザインでもないように思うので、少なくとも意匠については、発売前に出願していれば権利化できた可能性があったように感じます。
15倍の価格でも売れる縄跳びなので、知財でプロテクトしておかないと模倣品が出てくる可能性は高いのではないでしょうか。近い将来に100均で販売されてないと良いのですが・・・。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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