第74回「Wappalyzer」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第74回  「Wappalyzer」

とあるサイトの立ち上げに関わっています。その一環で、競合サイトを調査していました。
どんなサイト構成で、どのように運用し、どうやって訴求しているのか、それらを具体的に把握できないかと困っていた時に見つけたのがこのサービス、Wappalyzer(ワッパライザー)です。


国際登録第1588109号
【商標権者】個人
【商標】Wappalyzer
【指定商品/指定役務】(抄訳)
ウェブサイト上の技術をオンラインでスキャンし、検出するコンピュータサービス


Wappalyzerは、ダウンロードをすれば誰でもグーグルクロムの拡張機能として使えるアプリです。使い方は超簡単。任意のウェブサイトを開いてWappalyzerを起動すると、そのサイトが使用している分析ツールや販促ツールが表示されるというものです。
例えば、私の好きなゴルフ情報サイト「ゴルフダイジェストオンライン」を開いて、Wappalyzerを立ち上げると、Google AnalyticsやTwitter広告が検出されます。これは、ゴルフダイジェストオンラインが、それらサービスを利用していることを示しています。
これを競合のウェブページ上で起動すれば、競合が使っている分析ツールや広告手法を具体的に知ることも、もちろん可能です。

未来コンパスが指すミライ

ところで、Wappalyzerを使っていたら、ある事に気付きました。それは自分がサイトを利用している時に安心しているという事です。これは、第73回で触れた個人情報に関係があります。
ネットを使っている以上、自分の好みや傾向が、個人情報と紐付けられて収集されることは仕方ないと諦めていましたが、使われ方が全く見えない気持ち悪さがありました。
Wappalyzerに表示されるサービスは、いわば自分のデータが送られている企業を表しているようなもの。自分のデータがどの企業に共有されているのかが一目瞭然です。
安心感を得られたとまでは言いませんが、ネットを使うときのモヤモヤが少し晴れたような感覚です。

人がストレスや不満を感じるのは「分からない」状態に対してだなと改めて感じました。どの商品、どのサービスにおいても、ユーザーのストレスを解消するのは最重要テーマのはず。とすると、不満ポイントの「可視化」は全ての企業が真っ先に取り組むべき施策と言えるのかもしれません。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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