第73回「Miles」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第73回  「Miles」

つい先日、沖縄に住む母方の祖母が他界しました。99歳の大往生でした。
葬儀に向かうため、久々に飛行機に乗ったら、平日なのにまさかの満席。緊急事態宣言などの制限が解除された影響でしょうか。

さて、飛行機といえばマイルを楽しみにしている人もいると思います。
出張が少ない私は、マイルに縁がないと思っていましたが、飛行機に乗らずともマイルが貯まるサービスが出てきています。その名もズバリ「Miles」です。


米国出願番号(Serial number):87960347号
出願人: ConnectIQ Labs Inc
【商標】

【指定商品/指定役務】(英語の指定商品・役務の一部を抄訳)
商品やサービスと交換可能なポイントと引き換えにユーザーの移動を追跡するモバイルアプリケーションソフトウェア。
ユーザーの移動に対してポイントが付与され、そのポイントはさまざまな商品やサービスに交換可能である各種販促プログラムによる商品・サービスの広告宣伝 等


Milesは、毎日の通勤や通学でマイルをゲットできるアプリです。
アプリをインストールすると、1マイル(約1.6キロメートル)の移動に対して1ポイントがたまり、たまったマイルは、特典商品やAmazonギフトカード、寄付と交換可能です。

移動手段ごとに獲得マイルの倍率が設定されていて、たとえば、徒歩やランニングの場合は10倍のマイルを獲得できますが、飛行機の場合は移動距離の0.1倍換算のマイルしか得られません。AIが移動手段を自動判定するのですが、環境にやさしい移動に、より多くのボーナスマイルが付与される仕組みは、なんだかイマっぽいなと感じます。

未来コンパスが指すミライ

ところで、最近私は、WEBサイトやアプリが求めるトラッキング要請を、断るようになりました。許諾しないと使えないサイトは、閲覧しません。
仮に承諾した場合、私のデータは、ターゲティング広告に使われたり、統計データとしてマーケティングに活用されたりするのでしょうが、自分の情報が集められ、企業の売上に変わる事にどこか気持ち悪さを感じ始めたのだと思います。
Milesを提供するConnectIQ社は、個人情報を第三者に提供しないことを掲げています。Milesは、パートナー企業の商品やギフトカードを特典として掲載している、いわばプラットフォームの役割を担っています。そのプラットフォームのビジネスにおいて、ユーザーデータを第三者に開示しないのは、収益の種を一つ無くすことに繋がります。これは、勇気のいる決断だと思いますが、そのおかげで、私のような潔癖なユーザーに受け入れられましたし、この個人情報に対する潔癖さは、これからのミライにおいて世間全体で強まる傾向にあるように感じます。

 

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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