第183回 新規事業の作り方

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/新規事業の作り方

某大手さんの「新規事業創造プロジェクト」に同席しました。

「キックオフmtg」の場では、これまでに社内で「ヒット商品」を生み出した「レジェンドたち」が、その「思考プロセス」を紹介していました。

ざっくりまとめてみますと以下の流れのようです。

・社内の「ネガティブ」を洗い出す
 ⇨小さな「負」を見逃さない

・社内の「ポジティブ」を洗い出す
 ⇨自社の「長所」を認識する

・現状の社内サービスの「組み合わせ」を考える
 ⇨すでに「成立」しているサービスの「掛け合わせ」を出しまくる

・社外の「成功事例」を洗い出す
 ⇨そのまま「真似る」ことが可能なものを探し出す

・理想の世界を「妄想」する
 ⇨付加価値を乗せて、「理想の世界」に近づける

・5人のキーマンと「壁打ち」を重ねる
 ⇨異なる「価値観」も取り入れる

そのようなプロセスから生まれた、数々の「ヒット商品」についての「開発ストーリー」を語っていらっしゃいました。

「なるほど!」と納得させられる事例が山ほど共有されていたのですが、、、

その後の参加者間での「意見交換」では、

・昔はそれで良かったんでしょうね、、
・右肩上がりの良い時代だったんですね
・結局、他社の真似事ばかりよな、、
・そんな商品が売れたのは、ラッキーでしかないと感じる
・付加価値を作ることが難しいんだよね。。
・5人も壁打ちしたら、まとまるものもまとまらん、、

などのご感想が、そこかしこから。。

中でも、

「いや、そもそもなんですが、冒頭に、、」

・『新商品開発』とは、既存のビジネスモデルに新たなサービスや新たな視点を加えた商品をのせること

・『新規事業開発』とは、新商品や新サービスのアイデアに加え、『ビジネスモデルも同時に創造する』こと

・ビジネスモデルを作るということは、『永続的にお金が生まれる仕組み』を開発するということ

「と、おっしゃっていたのですが、今日は『ビジネスモデル構築』についての事例は、ひとつもなかったですよね、、」

と話したどなたかのご感想に、みなが

「そうよな。。時代も違うし、参考になりづらいよな。。」

と続いていたのが、印象的でした。

「新規事業創造」って、まだ見ぬ「理想の世界を妄想」しまくれて、ワクワクできるし、ドキドキしちゃえること、なのかな、と思うのですが、

「永続的にお金を生み出すこと」が前提にあると、なかなか簡単ではないようなのですね。。

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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