この対談について
“生粋の商売人”倉橋純一。全国13店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第4回 つぎの商材は、農機具!?
第4回 つぎの商材は、農機具!?
「遊べるリユースショップ」として各地で成功を収めている万代さんですが、実は「農機具事業」もやっているんだとか。
そうなんです。一昨年に農機具を海外に輸出している会社をM&Aしまして。
へえ、それはまたなぜですか。
もちろん商売になると考えたからです。というのも、先週に引き続き東南アジアの話になるんですが、あっちは日本と違って三毛作なんですよ。
ああ、確かに。日本の米作りは年1回、つまり一毛作ですもんね。
ええ。5月から6月に田植えをして、秋に収穫する。その1回だけです。だからもし日本で農機具販売の商売をすると、年1回しかビジネスチャンスがないわけですよ。
なるほど。たとえばコンバインなら、この秋に売れなかったとしたら、来年の秋まで売るチャンスはないと(笑)。
そうなんですよ。しかもただ売れないだけじゃなく、あんな大きな機械を1年保管しなきゃいけない。
そうですよね。売れないどころか、むしろコストがかかってくる。
ええ。でも、そうか東南アジアは三毛作だから、3回チャンスがあるじゃないかと。日本で売れなかったトラクターやコンバインを持っていって売ればいいじゃないか、と思いつきまして。
なるほどなあ。ちなみに農機具はどこから仕入れるんですか? メーカーから新品を買うんですか?
いえいえ、すべて中古です。農家さんが新しいものに買い替えするタイミングなどで、買い取りさせてもらったものですね。
へえ、ということは、農機具の中古市場があるってことなんですね。
それがまたラッキーなところで。私が商売している東北・北海道エリアって、いわゆる「お米どころ」でしょう? 農家さんが非常に多くて、つまり中古の農機具を大量に仕入れられる環境にある。
なるほど! それは大きな強みですね。
ええ。そんなわけで東北6県に『農家さんの味方』という店舗を作りまして。国内向けに販売もしてるんですが、そこで売れないものなどを東南アジアに持っていこうと。
三毛作で3倍のチャンスってことですから、投資も3倍早く回収できるってことですよね。
もしかしたらそれ以上かもしれません。何しろタイやベトナムの一帯は、米の産出量世界1位のエリアですから。
なるほどなぁ。そういう意味ではリユース事業と同様、いずれ東南アジアの方が売上規模は大きくなっていくわけですね。
そうでしょうね。さらに有利なポイントで言うと、東南アジアには日本の農機具のサイズが合っているんです。アメリカの農機具なんか、とてつもなく大きいでしょう?
確かに。畑の広さがまず桁違いですもんね。海みたいな畑の中で、巨大な農機具が作業しているイメージです。
ですよね。そんな大きな農機具は、東南アジアじゃ使えないんです。つまりアメリカの農機具は入ってきづらい。一方の日本製はサイズもぴったりだし、何よりモノがいいですしね。
でも、有利なのは日本の農機具メーカーも同じですよね。日本のメーカーは東南アジアに進出してないんですか?
もちろん進出しています。国内の大手メーカーは既に、日本より東南アジアに力を入れているくらいでしょうね。
じゃあ、マズいじゃないですか。そういうメーカーが中古販売も始めちゃったら、すごい競合になっちゃいますよ。
それがですね……やらないんですよ。メーカーはあまり中古ビジネスをやりたがらないんです。車メーカーも、中古車事業をあまり大々的にPRしないでしょう? 大手の本屋も古本屋をやらないですし。
ああ、確かにそう言われればそうかもしれません。でもなぜなんでしょう。
まあ、彼らからしたら「1つグレードの下の商売」と考えているんでしょうね。まあ、私はそんなこと関係なく「あ、これ商売になる!」と思えばすぐやりたくなってしまうので(笑)。
さすが生粋の商売人ですね(笑)。そう考えると、万代さんはリユース屋さんで、『農家の味方』は農機具販売屋さんですけど、倉橋さん自身は「何でも屋さん」なんでしょうね。
そうだと思いますね(笑)。だから自分みたいなマインドの人に入社してもらえたら楽しいだろうなと思います。リユース、アミューズメント、そして農機具と、どんどん新しい商売に挑戦できるので。
いいですね〜。こちらの記事の下に倉橋さん直通のフォームがありますので、興味のある方はぜひメッセージ送ってみてください!
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に13店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。