“生粋の商売人”倉橋純一。全国18店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第35回 優秀な上司の条件
前回は万代さんの評価制度についてお聞きしましたが、すごく作り込まれてますよね。今日はもう少しポイントを絞って、倉橋さんが考える「優秀な上司の条件」をお聞きしたいんです。
ああ、面白そうですね。評価制度にもつながる話ですが、基本的には部下の報酬を引き上げた人が、評価されるべきだと思いますね。
ほう、面白い。自分自身じゃなく、部下の報酬を上げるんですね。それができる人こそが「優秀な上司」だと。
えっ、厳しいマネージャーが人気なんですか? 今の若者はそういうの嫌いそうですけど。
そうなんです。逆に言えば、性格的にはすごく優しいけど、自分の報酬を上げるための厳しい指導はしてくれない、っていう人は不人気になっている。成長と報酬がリンクしてるっていう認識が、社内に浸透し始めているんでしょうね。
なるほど! すごくいい流れですね。最近は「出世したくない」「早く家に帰りたい」という若者が増えている中で、万代の社員さんはモチベーション高く働けていると。
そういう状況にしたくて評価制度を作り込んだので、狙い通りですね。あとはそもそもウチにはそういう意欲の高い子が多いように思います。僕のXでの発信もそういう方に刺さりそうな内容が多いですし。
だとしたら嬉しいですね。僕は万代で仕事をする中で、「経済活動の楽しさ」を知ってくれたらいいなと思っているんです。「目標に向かって投資をして、お客様から選ばれて最終的に報酬を得る」。これって単純にすごく楽しいことじゃないですか。
仰る通りですね。お客さんに喜ばれたら嬉しいし、それだけじゃなく自分の収入も増えていく。どんなゲームよりやりがいありますよね。
なるほど。つまり降格になる可能性もあると。でもそうなると、「できない部下ばかり配属された上司」は可哀想じゃないですか?
うーん、でも、部下と上司が入れ替わる可能性もあるんじゃないですか? 昨日まで部下だった人が今日から上司、みたいな。それはけっこうキツイと思うんですけど。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に18店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。