母から受け継いだ指輪をネックレスに、片方なくしたピアスをペンダントに、思い出の詰まった2つのリングを溶かして1つに――。魔法のようにジュエリーを生まれ変わらせるジュエリー修理・リフォーム専門店「Refine」(リファイン)。代表の望月信吾さんに、お客様に感動を届けるジュエリーリフォームの魅力、そして波乱万丈な人生についてお聞きする対談企画です。
第9回 「自分の店」を持ちたい人へ
前回は、「Refine」のお仕事をしながら、同じ空間で別の事業も展開できるという、夢のような働き方ができるというお話でしたね。
ええ。そうですね。時間的にも精神的にもゆとりを持って仕事ができるので、十分可能だと思います。
時間的に余裕があるということですけど、お店にいらっしゃるお客さんの数としては、1日平均何人くらいなんですか?
1日4~5人くらいですね。毎月の修理やリフォームのご依頼が50件くらいなんです。50人の方がご依頼の時とお受け取りで2回ご来店されるので、ご相談だけの方も入れると月に100人ちょっとの方がご来店される計算になります。
ほう。ということは、ご来店される方のほとんどが依頼をしていくわけですか。
ええ。数千円の簡単な修理から数十万円のリフォームまでさまざまですが、9割以上の方からご依頼いただいてますね。
ははぁ、なるほど。つまり売上につながる接客がほとんどということですね。しかも受け取りだけならものの数分で終わっちゃうわけですよね。
まぁそうですね。しっかりお話を伺って、というのは1日2~3人くらいだと思います。もちろん日によって波はあるので、お客様が途切れない日もありますけど。
なるほど。とはいえ「接客時間が平均2時間くらいで成り立つ店舗ビジネス」というのは間違いないわけですよね。それってなかなかすごいことだと思うんですけど。
そうですかねぇ(笑)。自分ではこれが当たり前なので、珍しいのかどうかもわからなくて。
あんまりないと思いますよ。でもそうなると、必然的に「空き時間」ができるわけでしょう? お客さんはいつお店に来られるかわからないし、営業時間中は店に必ずいなきゃいけないわけだから。
そう言われてみると確かにそうですね。もっとも、忙しいときはその暇もありませんけどね。先日私が1人でお店にいた時も、ありがたいことにめちゃくちゃお客様がいらっしゃってくださって(笑)。
へぇ〜、そうでしたか(笑)。逆に1人もお客さんが来ない日もあるんですか?
本当にゼロっていうのは稀ですけど、受け取りが2~3人だけ、という日はたまにありますね。
そうなると、1日の接客時間が10分20分ということですよね。私だったら時間を持て余してしまいそうですけど(笑)。望月さんはそういうの平気なんですか?
ああ、いえ、僕自身はけっこう忙しいんですよ(笑)。3店舗でご依頼いただいたものが一旦すべて私のところに集まってくるんです。それを一つ一つチェックしないといけませんし、職人さんからあがってきた加工品の検品もありますしね。
ははぁ、それはお忙しいですね。でも、他のスタッフさんは何をして過ごしてるんですか? 受け取りが2~3人だったら、お店の準備をしたり伝票を書いたりしてても、実働時間の半分もいかないですよね。
お客様にお手紙を書いたりしているんじゃないかな。まぁ、何かしらの作業はしてると思います(笑)。
ふーむ、皆さん真面目にお仕事されてるんですね。私ならこっそりマンガとか読んじゃいそうですけど(笑)。
そういうのはないと信じたいですけど(笑)。とはいえ日によっては漫画を読めるくらいの時間があるときもあるので、冒頭に仰っていた「別の事業と並行して」ということができるんじゃないかと。
ああ、なるほど。「自分のお店を作りたい人」ってたくさんいると思うんですよ。ネイルサロンや自分の陶芸作品を販売したり、古着屋さんをやりたいとか。でもそれだけじゃなかなか稼げない。そういう人にはピッタリですよね。
そう思います。「自分のお店を持つ」という夢を応援しながら、「Refine」の新しい可能性を模索していきたいですね。
生活していけるだけの収入は確保しつつ、好きなことを仕事にしていけると。これから新しいビジネスを始める方には朗報ですね。
対談している二人
望月 信吾(もちづき しんご)
ジュエリー工房リファイン 代表
25歳で証券会社を退社後、父親の経営する宝石の卸会社に入るが3年後に倒産。その後独立するもすぐに700万円の不渡り手形を受け路頭に迷う。一念発起して2009年に大塚にジュエリー工房リファインをオープンして現在3店舗を運営。<お客様の「大切価値」を尊重し、地元に密着したプロのサービスを提供したい>がモットー。この素晴らしい仕事に共感してくれる人とつながり仕事の輪を広げていきたいと現在パートナー募集中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。