GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道
引き続き、「Z世代(Gen Z)」についての「infographic(インフォグラフィック)」記事を取り上げたいと思います。正確に言うと記事というよりも「発表されたレポート」の紹介となります。
今週の記事(レポート)はコレ
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State of Student & Youth Travel Report
学生と若者の旅行に関するレポート(StudentUniverse発表)
https://indd.adobe.com/view/3dafa77f-ec4f-495a-98b0-5f689bd05a22
レポートの中で、特に「infographic(インフォグラフィック)」の部分から、ビジネス視点で示唆のある部分を抜き出して見ていきたいと思います。
先週の、「Is Global Warming Cooling Gen Z’s Desire to Travel?」に引き続き、「How AI is Shaping Gen Z Travel Trends in 2024」を見ていきたいと思います。
How AI is Shaping Gen Z Travel Trends in 2024
(AIはどのようにZ世代の旅行に役立っているか )
With the launch of ChatGPT in late 2022, AI exploded into mainstream culture with a level of demand even those in the industry didn’t forsee. The power of AI has not been lost on Gen Z and in typical fashion for younger people confronted with new technologies, they have adopted it into their everyday lives with seamless rapidity.
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2022年後半にChatGPTが登場したことで、AIは業界関係者でさえ予想していなかったレベルの需要でメインストリームカルチャーに爆発的に浸透した。AIの威力はZ世代にも失われておらず、新しいテクノロジーに直面した若年層の典型的な流儀として、彼らはシームレスな速さで日常生活にAIを取り入れた。
Z世代が日常生活にChatGPTなどのAIを取り込んでいる様子が、下記の各種データでも裏付けられています。
・94%が、ChatGPTのようなAIチャットボットを使い慣れている
・51%が、AIが作成した旅行プランの推奨を信頼している
・44%が、パーソナライズされた旅行日程を計画するためにチャットボットを使用できることを知っている
・21%が、旅行計画にすでにチャットボットを利用したことがある
・87%が、実際の担当者と連絡が取れない場合、不満を感じると思う
StudentUniverse research has found more than 9 in 10 Gen Z’ers are already familiar with using ChatGPT and other chatbots like it, and we’re now beginning to see how it will (and won’t) impact the travel industry in the near term. The main use for now is in trip-planning: over a fifth of Gen Z are actively using AI for personalized travel recommendations, and more than half trust AI-generated travel advice.
But in other areas, like solving problems with travel plans, there is still no substitute for talking to a real person.
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StudentUniverseの調査によると、10人中9人以上のZ世代がすでにChatGPTやそれに似たチャットボットを使いこなしており、近い将来旅行業界にどのような影響を与えるのか(与えないのか)が見えてきている。今のところ主な用途は旅行計画だ。Z世代の5分の1以上がパーソナライズされた旅行推奨のためにAIを積極的に利用しており、半数以上がAIが生成した旅行アドバイスを信頼している。
しかし、旅行プランの問題解決など他の分野では、やはり生身の人間との会話に代わるものはない。
これらのデータから下記の傾向が見えて来ます。
旅行計画をざっくり立てる段階で「Chat Bot(AI)はとっかかりやすくて役に立つ」、そしてその「生成AIが作成したプランも信用できる」ので、旅行計画BotはZ世代の旅行領域では欠かせ無いサービスとなる。
その上で、「トラブルや深刻な悩み」の段階に直面したときに「いかに、実際の人間によるフォローをシームレスに入れられるか?」という橋渡しが重要で、これをうまく実装したサービスを提供できた企業が勝ち組(Z世代取り込み競争の)となりそうです。
O2O(Online to Offline)の進化系で、A2P(AI to Person)の土俵での競争が激化するということですね。
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。
小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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