第64回 人類の最初は、アダムとイブのどちらから?

この対談について

健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。

第64回 人類の最初は、アダムとイブのどちらから?

安田
突然ですが、「オス」と「メス」が入れ替わる魚がいるってご存知です? ベラ科の魚って、成長の途中でメスがオスになるんですよ。

久保
なんとなく聞いたことはありますけど、全然詳しくないです(笑)。
安田
私、学生時代の専攻が「生物学」でそのあたりには少し詳しいんですが(笑)、メスの集団の中で1番大きな個体がオスに性転換するんです。小さいサイズのメスは強いオスに選ばれて、大きなサイズになったメスは自分自身がオスになって、他のメスとの間に子孫を残せるようになる。

久保
ほぅ、なるほど。とても理にかなった仕組みなんですね!
安田
ええ。その魚だけじゃなく、生物にはもともとメスしかいなかったんじゃないのかという説もあります。クローンのように自分と100%同じ遺伝子の子どもを生んでいたんじゃないかと。

久保
うーむ、でもそれでは他の個体、つまり、他の遺伝子と交わることがないわけですよね? 全く進化できないことになりませんか?
安田
まさに仰るとおりで。進化には、別の個体の遺伝子を組み合わせる必要があります。だからメスしかいない「縦糸」に、「横糸」となるオスが現れ、メス同士の遺伝子を行き来させているんだ、という説があって。私には非常に納得感があるんですよね。

久保
なるほど、遺伝子を組み合わせるための「縦糸」と「横糸」ですか。面白いなぁ。確かに私も自然界の「最初の生物」と言われる個体は、オス・メスがない「無性」の状態だと思っていて。それがどこからオスとメスに分かれていったんだろう? なんて考えたことがありました。
安田
なるほどなるほど。じつは私、この「オスとメス」の話について、昔から疑問に思っていることがあるんですよ。

久保
ほぅ、どんなことですか?
安田
旧約聖書では、「アダム(男性)の肋骨からイブ(女性)が生まれた」と言われていますが、実際には「イブからアダムが生まれた」んじゃないのかなと。…これを言うとクリスチャンの方には怒られてしまうかもしれないですが(笑)。

久保
あ〜なるほど! すべての生物はもともとメスから始まったのでは? という話につながってくるわけですね!
安田
そうそう。そしてその証拠になると思っているのが「男にも乳首があること」なんですよ。乳首って女性が赤ん坊を育てるためには必要ですけど、男には全く必要ないじゃないですか(笑)。

久保
あはは、確かにそうですね(笑)。男に乳首がついているのは、イブからアダムが生み出された「名残」だと。興味深いですね〜(笑)。
安田
たぶん何千年か後には、男から乳首がなくなるんじゃないかと思っているんですけどね。久保さんはどう思われますか?

久保
私としては、アダムとイブのどちらが先に生まれたのかは「わかりません」と言わざるを得ないんですが(笑)。アダムとイブの位置づけって、キリスト教とユダヤ教では違うってご存知でしたか?
安田
え、そうなんですか。何が違うんです?

久保
キリスト教では「最初の人類」が、アダムとイブだったと考えています。つまりその2人は「人類の祖先」である、と。
安田
ええ、私もそうだと思っていますが、ユダヤ教はそうじゃないんですか?

久保
はい。ユダヤ教では、アダムとイブは「ユダヤ人の祖先」だと言われているんですよ。
安田
ん? となると、ユダヤ人以外の人類はどういう存在なんですか?

久保
「魂のない人たち」と言われている。つまり「ユダヤ人だけが救われる」というのがユダヤ教の発想なんです。そこから「ユダヤ人だけでなく、人類皆救われるべきだ」と説いたのがキリストだったんです。
安田
なるほどなるほど。つまりキリスト教は、もっと多くの人を救うために門戸を広げたというわけですね。

久保
そういうことです。ただその教えにも「離婚は絶対にしてはいけない」というような厳しい戒律があった。すると今度は「重婚や一夫多妻でもいいんじゃない?」と言い始めたのが、イスラム教というわけです。
安田
ふむふむ。キリスト教よりももっと自由になったのがイスラム教なんだと。そうやって考えると、どの宗教も根っこは同じなんですね。

久保
ええ。アダムとイブの出てくる旧約聖書があり、新約聖書ができてユダヤ教とキリスト教になり、コーランができてイスラム教になった。つまりこの3つは全て大本となる教えは一緒なんです。
安田
なるほどなぁ。私、人間社会ってどうしてこうも長い間「男」が仕切っているのかと不思議だったんですけど、「女性は男性から生まれた」という考え方に大きく影響されている可能性もあるかもしれないですね。

久保
そうですね。キリスト教的な立場としては、「創造主がアダム(男性)を先に作った」のだから、社会的にも男性が前に立って引っ張っていくべき、という理論が根付いているのかもしれませんね。
安田
ははぁ…知らず知らずのうちに、私たちの価値観はキリスト教の影響を受けていたんだと痛感しますね。まさか「オスとメス」の話から、宗教観の話にまで広がるとは思いませんでした(笑)。

 


対談している二人

久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家

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仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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