大阪・兵庫を中心に展開する、高価買取・激安販売がモットーの『電材買取センター』。創業者である株式会社フジデン代表・藤村泰宏さんの経営に対する想いや人生観に安田佳生が迫ります。
第32回 12年連続増収の秘訣は「粘り」にあった!

ああ、確かに。藤村さんは結果がすぐに出なくても、電材買取センターを続けてましたもんね。

仰る通り、今ある店舗の中の一番です。16店舗あるので、新しく出店するとしたら、17店舗中で一番になれるかどうか。

そうですそうです。うちのスタッフも、新しく店を出す時に、つい「車通りが多い」とか「他の会社も出店を狙っている」みたいな表面的な条件ばかり気にしがちなんです。でも僕が「一番店になれるのか?」と聞くと、途端に「あれ? ちょっと待てよ」と考えこみ始めるんですよ(笑)。

そうそう。なったためしがない(笑)。つまり本質的には「実際に一番店になるかどうか」はそこまで重要じゃないんですよ。「一番店になると決めて出した」という事実が必要なのであって、あとはその目標に向かってトライandエラーを繰り返していくだけ。

そうなんです。で、そのサービスがうまくいけば、全店に広がっていくので、新店を出すたびに事業全体がブラッシュアップされている感じなんですよ。その結果、新店舗が一番店にならなくても、全店舗の売上は12年連続で上がっている。

いやいや、毎回本気で「いける!」と思って出すんですけどね(笑)。16回中16回スベっているというか(笑)。でもさっき言ったように諦めはしませんから。少なくとも黒字になるまで必ず粘ります。より有利な立地の場所が見つかったら移転することはありますが、うまくいかなくて店を閉めたことはないです。

なるほどなぁ。でも実際「粘り」って本当に大事ですよね。どんな商売でも、自分と家族が食べていくくらいは、徹底的に粘ればいけるんだと思うんです。逆にいうと、粘れない人はどんな商売をやってもうまくいかないんじゃないかと。

そうでしょうね。成功するにはトライandエラーが必要で、そこにはお金が必要だったりもする。でも個人的には、「無料でできること」をいくらやってもあまり意味がないと思っていて。だから社員にも「お金のかかる提案だけ持って来い」って言ってるんです。

そうそう。赤字の店って、つまりお客さんから嫌われてるんだろうと思うんです。それをお客さんに好かれる黒字の店にするにはどうしたらいいかを考えて、予算をかけながら実践していく。それが大事なんだと思いますね。

わかります。電材買取センターでも、どんどんお金をかけてどんどんお客さんを喜ばせていくことで成功してますから。お客さんに好かれる店にするには、やっぱりちゃんとお金をかけて改善し続けるべきだと思いますね。
対談している二人
藤村 泰宏(ふじむら やすひろ)
株式会社フジデンホールディングス 代表取締役
1966(昭和41)年、東京都生まれ。高校卒業後、友禅職人で経験を積み、1993(平成5)年に京都府八幡市にて「藤村電機設備」を個人創業。1999(平成11)年に株式会社へ組織変更し、社名も「株式会社フジデン」に変更。代表取締役に就任し、現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。