【vol.329】自動車産業の2024-2026年における10のインパクト(高級自動車)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、EXPLODING TOPICSという「今どんなトピックが盛り上がっているのか?」を可視化する専門サイトから、「自動車産業のトピック」を取り上げたいと思います。

今回の記事はこれ。
10 Important Auto Industry Trends (2024-2026)
自動車産業の2024-2026年における10のインパクト
https://explodingtopics.com/blog/auto-industry-trends

自動車産業の10のインパクトは下記の通りです。

1. Electric Vehicle Adoption Increases Worldwide
2. Autonomous Vehicles Change The Face Of The Auto Industry
3. Cars Become Even More Connected
4. Vehicle Purchases Shift Online
5. The Automotive Parts Market Continues To Grow
6. Chip Shortage Continues To Plague Auto Manufacturers
7. Auto Sales Impacted By Low Inventory And High Prices
8. Micromobility Presents A Potential Shift Among Consumers
9. Hydrogen May Be The Fuel Of The Future
10. Luxury Car Brands See Growth

 

先週の「9. Hydrogen May Be The Fuel Of The Future」に引き続き、「10. Luxury Car Brands See Growth」を見ていきます。

10. Luxury Car Brands See Growth
(高級自動車ブランドが成長する)

While the past two years have been a challenge for most auto manufacturers, high-end luxury brands have experienced unexpected success.
While the market for cars valued below $80k is expected to remain flat through 2031, the luxury car market is predicted to grow at up to 14% CAGR.

過去2年間、ほとんどの自動車メーカーが苦境に立たされるなか、高級車ブランドは予想外の成功を収めている。
8万ドル以下の自動車市場は2031年まで横ばいと予測される一方、高級車市場は年平均成長率14%で成長すると予測される。

自動車産業の成長という視点では、一見「電気自動車」とか「水素自動車」などの視点になりがちですが、実は「高級自動車」という視点で見ると、成長余地は「明らか」なようです。

 

Sales of the most expensive cars are predicted to drive the most market growth through 2031.
最も高価帯の車の販売が、2031年までの市場成長を最も牽引すると予測される。

 

このピラミッドは興味深いしわかりやすいですね。

・Non-luxury(一般車)の市場は全体の97-98%を占めるが、この領域の2031年までの成長率は1%に過ぎない
・Luxury(高級車)の市場は全体の2-3%しかないが、2031年までに大きな成長が見込める
・特に「>$500,000(800万円以上)」のカテゴリでは14%もの成長が見込める。

800万以上のカテゴリって、よく考えたら日本車ではレクサスとか日産GT-Rとかのような限られたブランドしかないので、日本のメーカーは成長分を取りこぼす構造ですよね。

ちなみに、この日本のわずかな高級車が「海外の人がお得に買える市場」がイマココなので、国内の人は「買いづらくなっていく」世界観だと思います。

いずれにしても、国内の自動車市場は中・長期的には結構厳しい土俵なのかもしれません。。
 

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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