庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第98回 「庭付きモデルハウス」はいかがでしょう

へぇ、そうなんですね。今は建築業界も厳しいでしょうから、コスト削減を考えると自然な流れという気もします。それに合理的でもありますよね。お客様に見せるために内装や家具なんかも揃っているでしょうし。

ははぁ、いいですね。縁側があったりしてね。…あ、でも先ほど言っていたようなアンティークな家具の家だと、縁側はちょっと相性悪いんですかね。

そういう場合はテラスがおすすめですね。ウッドデッキや石張りテラスなど、室内の雰囲気に合わせて構成すれば違和感なくつながります。アンティーク感のあるタイルなんかもありますから、うまくマッチすると思いますよ。

そうですね。私の自宅では気軽に出入りできるように、窓のそばに靴を置いています。あとは沓脱石(くつぬぎいし)を置いたり。

笑。素材の選び方ひとつで、空間の雰囲気は大きく変わりますからね。そういう意味ではやはり設計段階から関わりたいですね。図面を見て後から作ることも可能ですが、早い段階の方がいいご提案ができるのは間違いないので。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。