庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第104回 雑木を美しく保つ、「切り方」の新常識

例えばカシのような常緑樹は、葉が密なので、多少乱れてもそれなりに見えるんです。でも雑木は葉が少なく、剪定の仕方で印象が大きく変わります。柔らかさを残すように切らないと、不自然になってしまう。

気持ちはわかります(笑)。でもそこを思い切って切ることで、他の枝とバランスが取れて、自然な高さに整うんです。とにかく切った跡が見えないことが大事なんですよ。枝元で切れば、数年後にはそこに枝があったことも分からなくなる。

ええ。僕も最初は試行錯誤でした。アオダモなんて、先をちょっとでも切ると不格好になりますし。どうしても気になるときは細い枝の根元で切って、切った跡が目立たないようにするなど、繰り返していくうちに少しずつ分かってきた感じです。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。