第88回 「B-SCORE(ビースコア)」が明らかにするもの

この対談について

「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。

第88回 「B-SCORE(ビースコア)」が明らかにするもの

安田

今年リリースされたブランディングサーベイB-SCORE(ビースコア)」って、その後いかがですか?


西崎

おかげさまですごく好評で、開始5カ月(β版期間も含む)で180社が導入してくれています。

安田

すごいですね! 改めてサービス内容を教えていただけますか? いくらで、どんなことをしてもらえるのでしょう。


西崎

費用は社員数で変動するんですが、平均で1社あたり年間5060万円くらいです。いわゆる「組織エンゲージメントサーベイ」に分類されるもので、社員が会社に満足しているかどうかを測るものです。

安田

ふむふむ。同様のサービスは他にもある気がしますが、「B-SCORE(ビースコア)」の特徴は?


西崎

一般的にそういうサーベイはインナー、つまり社内のことをチェックするものですが、「B-SCORE(ビースコア)」はインナーとアウターの両方を測れるのが特徴で。つまり、問い合わせが多いか少ないか、クレームが多いか少ないか、リピートが多いか少ないかなど、外的なブランド力まで数値化できるようになっています。

安田

は~、なるほどね。お客さんにはどういうサービスだよと伝えているんですか?


西崎

「企業のブランド力を可視化・数値化し、組織と従業員のベクトルが合っているかを測定する診断ツール」という説明をしていますね。

安田

なるほどなるほど。ちなみにそこで測った結果は最終的に数値化すると思うんですが、どういう感じなんですか? 100点満点中何点という形なのか、偏差値みたいに「真ん中くらいですよ」みたいな感じなのか。


西崎

総合のスコアは偏差値ですね。180社中でどの位置にいるかが分かります。一方、顧客との信頼関係の厚さや求職者からの認知度・興味度などは絶対値で、5点満点で評価されます。

安田

なるほどなるほど。わかりすいですね。方式としては、社員がサーベイを受けて記入する形ですか?


西崎

そうです。136項目の設問に答えてもらいます。特徴的なのは「会社の理念に即した行動をしていて、かつファンがついている状態」が最も高いスコアになるという点です。単に売上や利益率が高ければ良い、というモデルではないんですよ。

安田

なるほど、おもしろい。評価制度に近い感じですね。そもそもどうしてこういうサービスを作ったんです?


西崎

一般的なエンゲージメントサービスは「社員が会社に何を求めているか」と「会社がそれをどれだけ実践しているか」という二軸で測りますよね。でも僕はそこに違和感があったんですよ。

安田

ふむ、というと?


西崎

僕自身がなぜ起業したかと言うと、実現したいビジョンがあったからです。「社員を満足させること」が目的じゃなかった。どちらかと言えば「実現したいビジョンに共感した社員と頑張りたい」「そういう社員のために社内制度を整えたい」いう順番なんですね。

安田

ああ、なるほどなるほど。だからこそ「会社の理念に即した行動」という評価軸のサーベイを作ったわけですね。ちなみに先ほどアウターの評価も調べるという話がありましたが、どうやるんです?


西崎

現状は社内調査ですね。問い合わせやリピート、クレームの有無などを社員に回答してもらう形です。ただ将来的には実際の顧客の声を反映させたいと考えているんですよ。その方が正確ですからね。

安田

は~、確かに「実際のクライアント」から聞ければ一番ですもんね。でもそういう形になったら、「誰が一番良い社員か」という順番まで出せちゃいそうですね。


西崎

既にそういう建て付けですよ。もちろん個人の特定はできない形ですが、レイヤーごとには明確に出します。例えばリーダー層はメンバー層よりスコアが高い傾向にあり、マネージャー層はさらに高い。うちの会社も典型的にそうです。

安田

あ、なるほど。トゥモローゲートさん自身もこのサーベイを実施しているわけですね。ちなみに総合ブランドスコアでは何位なんです?


西崎

現状ではうちがトップです。ただ、180社しかないので、日本中を探せばもっと高い会社はあると思いますけどね。

安田

なるほど、さすがです。ちなみにトップでなくなった場合も公表するんですか?


西崎

もちろん公表します。下がったら「どうやって上げるか」を示さなければ信憑性がなくなるので。裏で数字をいじることは絶対にしません。

安田

確かに「サービス提供会社が常に1位」って、なんか怪しいですもんね(笑)。


西崎

笑。まぁ僕らとしても1位の地位を守れるよう必死に頑張っているわけですけど。ともあれ、お金で順位が買えてしまうようなサービスには絶対にしないですね。

安田

そういう怪しいアワード、いっぱいありますもんねぇ。でもどうですか、23位ならまだしも、平均値やそれより下位に落ちたら、さすがに隠したくなりませんか(笑)。


西崎

平均以下に落ちることは絶対にないようにしていますが、万が一そうなったらすべて公開します。そして「点数を上げるために何をするか」を示します。自分たちができていないのに他社を支援することなんてできませんから。

安田

ああ、西崎さんならそうするでしょうね。ちなみにこのサービスを受けて欲しいのはどういう企業ですか?


西崎

これはズバリ「本気でブランド力を高めたい」という意思がある会社です。理念やビジョンが明確か、実行できているか、顧客に満足を与えられているか──この三位一体を目指す会社には必ずフィットします。

安田

つまり「ビジョナリーカンパニーを本気で目指すなら受けるべき」ということですね。


西崎

そうです! 本気の企業様、ぜひお問い合わせくださいませ。


対談している二人

西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社
代表取締役 最高経営責任者

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1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数20万人とSNSでの発信も積極的に展開している。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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