人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第91回 人口が半減した日本に訪れる「豊かさ」とは?

でしょう? まぁ私が実際に50年後の世界を見られるとは思いませんが、我々の子ども世代は、その全く新しい日本をリアルに体験するわけです。未来は不安だという人が多いですけど、私からしたらむしろ羨ましいですよ。

そうそう。まあ、人口減に対する期待の裏には、私自身が人混みが苦手というのもあるんですけど(笑)。美味しいお店がたくさんあったり、利便性が高いという利点で東京に住んでますが、人が集まる場所はなるべく避けて生活してますからね。

その可能性はありますね。だけどドローンによる配送が当たり前になって、遠隔医療が普及すれば、地方やへき地でも都市部と変わらない生活水準を維持できるかもしれない。そうなれば都市部の過密状態は避けられるんじゃないかと。

少子化が始まった頃、子どもは「4つのポケットを持っている」なんて言われてましたよね。4人の祖父母からいろいろ買ってもらえてリッチな孫が増えていくと。それと同じで、人口が減れば、先人たちが築いたインフラや資産を、より少ない人数で享受できるようになるわけです。

そうですね、GDPのような経済規模から、個人の幸福度やQOL(生活の質)へとシフトしていく気がします。「自由時間の長さ」とか「自然にどれだけ触れたか」が、国の豊かさを測る新しい基準になるのかも。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。