“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第119回 「メイド・イン・ジャパン」神話の崩壊

家電や自動車など、かつては世界を席巻した日本のメーカーがどんどん海外勢に追い抜かれていますよね。ソニーのウォークマンのように、世界を変えるような製品を生み出してきた歴史があるのに、なぜこうなってしまったんだろうかと。

そうですよね。でも今はその力が失われてしまっている。それは研究開発にお金と時間をかけられなくなったことが原因の一つじゃないかと思うんです。大学でも論文の数が減っていて、「すぐに商売につながる研究」ばかりが求められるようになっているそうです。

ええ、まさに。「お金儲けから逆算する時点で、それはもう研究ではない」と嘆く研究者の方も多い。昔は採算度外視で自分の興味をとことん突き詰められたのに、国の経済的な余裕がなくなって、そうした土壌が失われてしまったのかもしれません。

日本のアニメやゲームも、元々は一部のオタク文化から生まれたものじゃないですか。「大人が漫画を読むなんて」と世界から笑われていたものが、今や世界を代表する文化になった。作り手たちが、ただ「好き」という気持ちで突き詰めてきたからこそ、独自の文化が育まれたんだと思うんです。

そうかもしれません。僕が子どもの頃は第二次ベビーブームの真っ只中で、日本中が活気に満ち溢れていて。少年ジャンプの漫画やファミコンなど、新しい遊びが次から次へと生まれるエキサイティングな時代でした。

駄菓子屋なんかも、創意工夫に溢れていて面白かったですよね。当時は人口も増え続けていたので、子どもが喜ぶような面白いものを作っていればビジネスが成り立った。人口が減少するようになって、どんどんつまらなくなってしまったような気もして。

競争の中で安さを追求した結果、品質が犠牲になってしまったんでしょうね。昔は中国製や韓国製の製品は、日本製に比べて品質が劣るイメージでしたけど、今や完全に逆転してしまった。もう家電は韓国メーカーの勢いがすごいですからね。

最初から世界市場をマーケットとして捉えているのは大きいと思います。韓国人ビジネスマンと日本人ビジネスマンとでは、仕事に対する覚悟が全く違いますから。東南アジアでビジネスをしていると痛感しますよ。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















