GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道
引き続き、Lighthouseという欧米のホテルマネジメントサービスが「ホテル&ホスピタリティ業界の動向」をまとめている記事がビジネス的に参考になりそうなので、読んでみたいと思います。
今週の記事はこれ。
The top 10 travel and hospitality trends that will shape 2025
(2025年に表出するホスピタリティのトレンドトップ10)
https://www.mylighthouse.com/resources/blog/top-10-travel-and-hospitality-trends-2025
トップ10のトレンドは下記の通りです。
1.Consumer caution continues into 2025, but the desire to travel remains
2.Optimism grows for Asia-Pacific hoteliers amid rising travel demand
3.India’s luxury hotel sector: A star on the rise
4.The steady advance of short-term rental growth
5.The evolution of event-driven travel: New patterns emerge
6.The rise of authentic travel beyond tourist hotspots
7.AI adoption will transform Revenue Management
8.The rise of Total Revenue Management and the search for ancillary revenue
9.Personalization will be the new standard in 2025
10.The distribution landscape in 2025, one of evolving challenges
引き続き「8.The rise of Total Revenue Management and the search for ancillary revenue」を見ていきたいと思います。
8.The rise of Total Revenue Management and the search for ancillary revenue
トータル・レベニュー・マネジメントの台頭と付加収益の追求
Total Revenue Management shifts focus from traditional room revenue to capturing the complete value of each guest’s stay. From dining experiences and spa services to parking and event spaces, this holistic approach ensures every revenue stream is optimized.
→
トータル・レベニュー・マネジメントは、従来の客室収益から、各ゲストの滞在における総合的な価値の獲得へと焦点を移行させる。飲食体験やスパサービスから駐車場、イベントスペースに至るまで、この包括的アプローチによりあらゆる収益源の最適化が図られる。
ホテルの宿泊費そのものだけでなく、滞在期間中に落としてくれるお金全体を最大化(最適化)できるようなマネジメントが主流になりつつあると言うことです。
The ultimate goal of Total Revenue Management is to increase Total Revenue Per Available Room (TRevPAR) or Revenue Per Available Guest (RevPAG), ensuring that no revenue opportunity is overlooked.
→
トータル・レベニュー・マネジメントの究極の目標は、利用可能客室当たり総収益(TRevPAR)または利用可能ゲスト当たり収益(RevPAG)を増加させ、収益機会を見逃さないことにある。
これまで「レストランは外部で」とか、「お土産購入は外部で」など収益機会を外部サービスに奪われていたのを、ホテルに内部化していき「客室あたりの収益を押し上げる」努力をしているということですね。
But Total Revenue Management’s impact goes beyond the bottom line. By enabling more personalized offerings and bespoke experiences, it directly enhances guest satisfaction. In an era where online reputation drives bookings, this connection between revenue optimization and guest experience becomes crucial.
→
しかしトータル・レベニュー・マネジメントの影響は収益面だけにとどまりません。よりパーソナライズされた提供とオーダーメイドの体験を可能にすることで、ゲスト満足度を直接向上させます。オンライン評判が予約を左右する現代において、収益最適化とゲスト体験のこの結びつきは極めて重要となっています。
一方で、記事では「収益面」のみのためのマネジメントではなく、満足度も含めたトータルレベニューマネジメントの必要性の浸透が語られています。
要は「短期的なレベニューではなく、次回以降の再来店意向を向上させたり、クチコミにどう書かれるか?までを含めた“トータル”の期待収益まで含めてマネジメントしようよ」という風潮になってきている、という話です。
実に健全なマネジメント風潮だと思いました。
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
著者ページへ
















