Forbesが選ぶ「2018年、ビジネスに成功をもたらすトレ
著者:小出 紘道
前回までは、アイルランドのSilicon Republicというwebメディアから、中東のスタートアップの中心地であるテルアビブの企業を紹介して、日本市場でどのように応用可能か?を考えてきました。
メディアが変わって今回は、皆さんも御存知のUS(アメリカ)の超有名雑誌のForbes(フォーブス)から、今年のビジネストレンド(マーケティングトレンド)を紹介した記事を引っ張りました。ビジネストレンドとマーケティングトレンドを、3回か4回くらいに分けで紹介していきますね。
今回の記事、ヘッドラインはこちら。
The Top 10 Business Trends That Will Drive Success In 2018→2018年、ビジネスに成功をもたらすトレンドTop10はこれだ!
では早速みていきましょう。Forbesの編集者が下記の10個のトレンドをあげていますので、今回は、そのうちの①と②を取り上げます。
①Artificial Intelligence Drives Customer Experience
②Communities Embrace Live Interactions Over Social Media
③Millennials Welcome Generation Z
④Wages And More On The Rise
⑤Social Learning Outperforms Remote Learning
⑥Live Streaming Video Content Gains Momentum
⑦Serve Your Community Not Just Buyers
⑧Marketing Drives Results With A Focus On Problems
⑨Subject Matter Experts Open Doors
⑩Blockchain Embraced By Big Players
①Artificial Intelligence Drives Customer Experience
→AI(人工知能)がCX(顧客の経験価値)を活発にする
Artificial Intelligence というのはAI(人工知能)のことですね。
で、Customer Experience(カスタマー・エクスペリエンス)は、マーケティング界隈ではCXと言われていて、「商品やサービスを購入して利用するという、一連の経験を通じて顧客が体感する価値全体」のことですね。
ちなみに、商品やサービスを使ったときの満足度のことを、CS(Customer Satisfaction)といいますね。いわゆる顧客満足です。
「CSを高めるためにはCXを高めよ」みたいば文脈で使われます。
ちなみに、CXの例としては、「店舗の香り(同一ブランドで同一フレグランス)」「陳列方法(ヴィレッジヴァンガードが一例)」「他の顧客と自分との類似性(スタバ行くとMacが多いw みたいなやつです)」「新しいライフスタイルの提案」「エコフレンドリー」などがあります。
商品やサービスそのものの周辺にある、一連の付帯価値の集合体のようなものです。
マーケティング界隈の人は「CX、CXとよく連呼してます」ので、連呼している人を見かけたら、そういう意味なんだなと思ってくださいね(笑)
ほんの数年前までは、CXよりもUX(User Experience)という表現が多く使われていましたが、これはどちらかというと、Web(HP)上での一連の購買体験についての文脈で語られることが多く、オンライン上に限定した表現になっていたため、最近はCXが使われますね。
ほら、オンラインとオフラインの融合の時代じゃないですか。いつかこの話はしますが、数年前にO2O(オーツーオー:Online to Offline)という言葉が流行りました。「O2O、O2Oと連呼している人」が一時期急増したのです。
最近では「UXは古いよね、大事なのはCXだよね」みたいに言っている人をたまに見かけますw
最近はCXなのです。Forbesも言ってますから(笑)
で、本文です。
—原文
There are three levels of machine learning: AI where machines perform tasks normally performed by humans; machine learning, where the machines learn on their own; and deep learning, where machine learning chains together for rich learning.→machine learning(機械学習)には3段階ある。
単純AIによって、機械が通常は人が行うような作業を代行してしまう段階
Machine Learning(機械学習)で、機械が自律的に法則などを学習して処理する段階
Deep Learning(深層学習)で、機械自身がさらに進んだ自律的学習を継続的に行い処理・対応する段階
Forbesの記事の表現は一般的に日本で言われているAIの段階モデルとは少し違いましたので、ちょっとだけ日本語をいじって汎用的なものに修正しました。
なので原文ママの訳とはニュアンスも少し異なります。
さらに、原文続けます。
—原文
Leading companies are embracing AI to perform repeatable, redundant tasks and to process large amounts of data not to avoid human interaction, but to enrich it.→先端企業では、repeatable(繰り返し)の、redundant(代替可能)なタスクを実行するためにAIを活用している。彼らは、大量のデータ利用しながら、human interaction(人的な接点)をto avoid(避けるため)ではなく、人的な接点をto enrich(より豊かにするため)に使っている。
このあたりは、従来言われていた「AIは人間の代替となり人間が不要になる」という考え方はもう古くて、「AIによって人的な接点はより豊かになり、より人間としての行為に集中できる」という考え方に社会がシフトしてきてますよ、という話ですね。
AIのところは、なんかただサマリーしただけになってしまいました。。。
要するに、2018年からは、CX(顧客の体験価値)をさらに向上するために、AIを積極活用した企業がうまく行きますよ、という話ですね。
ということで、よく「AIの活用」って言われるけど、Forbesの記事ではもう一歩だけ踏み込んでいて、「AIはCX向上のために活用すべきだ」というのが1つ目のポイントでした。
はい、次。