チャーミングだな、と思う二人の経営者がいる。
ひとりは『Soup Stock Tokyo』『PASS THE BATON』などを運営する株式会社スマイルズの遠山正道さん。
もうひとりは『DEAN&DELUCA』『TODAY’S SPECIAL』などを運営する株式会社ウェルカムの横川正紀さん。
二人に共通しているのは、「感性」という言葉を大切にし、経営の真ん中に置いていることだ。
たとえば、ウェルカムは、OUR MISSIONとして「感性の共鳴~美しい考えは人を美しくする~」を掲げており、スマイルズも自分たちらしさを体現する行動指針を、「低投資高感度、誠実、作品性、主体性、賞賛」という5つの感性として表現している。
感性とは、曖昧で説明できないものだ。
したがって数字至上効率主義に殉じる企業は、こうした言葉を経営まわりには使用しない。
しかし、両社のブランドショップを訪れてみれば、豊かで満ち足りているはずの生活者たちの心にはまだぽっかり穴が空いており、その空洞を埋めるものが、まさにこの曖昧で説明できないものであることに気づくだろう。
スマイルズにしてもウェルカムにしても、そもそも言葉としてあまりに一般的過ぎて、社名としてなかなか選択できるものではない。
こういう社名を、照らいなくスッと付けられるところに、新しい時代の新しい息吹を感じるのだ。