「ハッテンボールを、投げる。」vol.30 執筆/伊藤英紀
会社評価のモノサシとして、
成長率がある。
が、幸福率とか幸福度の測定はない。
やればいいのに。
行政が企業白書で。
クライアントが望めば、
やってみようかと思うが、
統計的な標準点がないので、
客観評価は難しい。。
幸福度100%近くを
たたきだす会社は、逆にブラックや
全体主義が香りますよねえ。
働く側にとって興味深い
選社基準になりそうなのだが。
しかし、なぜ、そこまで
血眼になって成長したがるのかなあ。
タマあにだが、
そう思わせる経営者や社員がいる。
企業成長は、死活問題。
成長しなければ生きる意味がない、
とまで価値観が硬直化しているようで、
ちょっと息がつまる。
シニカルかもしれんが、
決然たる成長主義は、
危うい悲観主義だと思う。
会社成長は鈍いけど、
社員は幸福、という状態を
容認できないからだ。
そういう視点が、欠けている会社は、
成長圧力で働く者を圧迫するだろう。
もし、なんらかの環境変化で
売上げが落ちようものなら、
社内の気配は非常事態の
緊迫感と危機感の窮まりに
支配されそうだ。
悲観的な空気が覆うだろう。
「人生、山あり谷ありだね。
またいい風が吹くさ。
吹かなかったりして。ワッハッハ!]
という楽観は許されないのだ。
頑な成長主義は、もろい。
壊れたら、一気に
悲観や悲痛へと落ちていく。
こんな話をすると、
お前は成長を望まないのか!
そんなヤツが多いから
日本経済は衰退するんだ!
と怒る人が最近の世の中は
増えているような気がする。