日曜日には、ネーミングを掘る ♯050 洋風手まり寿司

今週は!

小商い、小工事、小さなブルーオーシャン。
ここ最近、「小」をテーマに
コンセプトやネーミングを考える機会が、
増えてきているように感じています。

巨大資本による大きなもの疲れ、
小さくとも想いの籠ったものへの回帰が、
少しずつ起こっているのかもしれませんね。

私も“小仕事”というものが大好きで、
基本喜んでやらせていただいているのですが、
今回ご紹介するのは、そんななかの一つ。

クライアントは、
東京・日本橋にある海苔屋さん。
120年以上の歴史を持つ老舗なのですが、
こちら、コーポレートサイトで
海苔を使った料理を紹介しております。

http://www.yamamoto-noriten.co.jp/recipe/

毎月お皿の上に生まれる料理さんたちに
名前を付けるという仕事が
かれこれ10年以上もつづいており、
レシピの数ももう150ほどになりました。

やり方ですが、
まず料理研究家が名前を付け、
その料理を実際に食し、
私の方で見た目や味を鑑みて、
サイト公開用のネーミングを考案します。

たとえば、直近の例。
料理がこんな感じで仕上がりました。
(カメラマンのPCから撮ったので
画像がかなり荒れています)

どういう料理かといいますと、
小さくて丸いおむすびに、
細く切った海苔を巻いて、
ローストビーフといっしょに食す、
というもの。

この料理に、
最初、料理研究家がつけた名前は、
「ローストビーフのお寿司」でした。

ローストビーフ(洋)とお寿司(和)の
対比が面白いですし、
「みんな~、今日は、
ローストビーフのお寿司よ~」
なあんてママがキッチンで嬉しそうに
家族に言っている姿も浮かんでくる。

ショルダーフレーズを付けて、

どうでしょう。わるくないですよね。

でも、この名前だと見たまんまですし、
春は花の季節でもありますし、
料理にもうちょっと華を添えてあげたいな、
と、まあ、こう思った次第ですね。

で、付けたのが、こちら。

京都では、昔から
芸妓さんや舞妓さんが食べやすいようにと
料理屋さんが考案した「手まり寿司」という
一口サイズのお寿司がありますが、
これをヒントにしてみました。

「ローストビーフのお寿司」の方が
いいじゃんと思われる方も
いらっしゃるでしょうが(笑)

それはそれとして、
今週はネーミングライターの
小さなお仕事を紹介させていただきました。

感想・著者への質問はこちらから