「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。
70通目/大野からの返信
「この飛行機は竜巻によって偶然出来上がった」
確かに!
諸説ありますが、宇宙は約137億年前に超爆発によって誕生し、現在の宇宙になる為の絶妙な膨張速度が偶然得られる確率が1,000兆分の1。けれど、フレッド・ホイルという博士はビッグバンを否定していて、生命は宇宙で進化し、胚種によって宇宙全体に広がったというパンスペルミア仮説を唱えました。そして、最も単純な単細胞生物がランダムな過程で発生する確率は「がらくた置き場の上を竜巻が通過し、その中の物質からボーイング747が組み立てられる」のと同じくらいだと喩えています。出張で飛行機に乗り込もうとした時、「知ってますか?この飛行機は竜巻によって偶然出来上がったんです。」と僕が言ったらどう思います?
前回69通目/安田「そもそもの先にあるもの」
そもそもは奥が深いです。なぜならそこにはゴールがないからです。そもそも宇宙とは何なのか。太陽系の外には銀河系があり、銀河系の外にはさらに大きな宇宙がある。宇宙をどんどん進んで行ってもゴールがありません。反対もまた同じです。そもそも物質とは何なのか。物質の中には分子があり、分子の中には原子核があり、原子核の中には陽子や電子があり、その中にも永遠に何かが連なっている。どんなに進んでもそこにはゴールがない。お金儲けも、仕事も、恋愛も、同じではないでしょうか。物事はすべて小さな宇宙です。そこには明確なゴールがありません。ではなぜゴールがないのか。考えるべき真理がそこにあるような気がします。
ー安田佳生より
前々回68通目/大野「そもそも自分らくしできないのも自分」
なるほど!死んでないだけというのに近い生きる姿から、「ちゃんと生きる」の違いはまさにそこにありますね。思考を軸として、感情と行動の反復運動、往復運動の中で、改善と飛躍、あるいは、挫折と行き止まりや登った梯子を途中で降りるなど、自分自身を生きるという感覚を思い出していく。それは自分探しとは全く違う。自分らしさを求めることとも違う。そもそも自分らくしできないのも自分。その自分から逃れるように他を探しても見つかりゃしない。しかし、うかうかしていることに麻痺してくると、容赦ない多忙という時の流れの中で、荒波に揉まれて、次第に「そもそも」ということを考えなくなってしまいますものね。
ー大野より
交換日記をする二人
●火曜日
安田佳生(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。
●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/