「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。
85通目/安田からの返信
「すべては起点次第」
必要なものはすべて与えられている。この観点はとても重要だと思います。足りないと感じているから「ますます得ようと」もがいてしまう。結果、何も得られないし、ますます不足感が増していく。十分に足りているというスタートに立てば「使おう」という意識が働く。結果的に人に与える量が増えていき「気がつけば自分のほうがたくさん得ている」という不思議な事態が起こる。まあ「言うは易し、行うは難し」ですけど。すべてはスタート地点で決まりますよね。「すでに与えられている」「すでに満たされている」を起点にする人は成功する。「まだ不足している」「満たされていない」「もっと得たい」を起点にする人は失敗する。すべては起点次第。
前回84通目/大野「与えれば与えるほどにますますこの地球に増えるのが、愛」
愛は、手に入れる考え方から与える考え方への変換を意味すると思うんです。つまり、喜びを得る為には、何を学ぶべきか?この問いが大切です。特に、自分の内部に欠けている所があると信じている限り、生きていくその過程の総てにおいて、欠乏を創作し続けてしまいます。そして、僕たちは自分が信じている事に対して責任があります。
例えば、僕が何者であるのか?をどう信じるかが、僕の持つものを決定します。また、僕たちが能力を発揮するのに必要なのは、そもそも能力があるか?ではなく、持っているものをきちんと承認する事です。本来総てを与えられていてそこに在るから。まして、与えれば与えるほどにますますこの地球に増えるのが、愛。
ー大野より
前々回83通目/安田「人類は永遠に満足できない」
結局のところ人間の満足は絶対値ではないのです。食うに困らず、住むところもあり、家族が健康でも満足できない。では何をもって満足するのか。それは他者との比較です。同級生よりもいい学校に入れた。同期よりも稼いでる。普通の人では買えない家に住んでいる。買えない車に乗っている。などなど。仮に年収が3000万円あっても平均が5000万円なら不満。それが人間というものです。満足の基準を比較に置いている限り全員が満足することは絶対にあり得ない。この愚かしい価値観をつくりあげているのは人間自身です。「会社をスケールしたい」という言葉の意味は「他者より大きな会社を持ちたい」ということ。
ー安田佳生より
交換日記をする二人
●火曜日
安田佳生(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。
●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto. com
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/