「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。
91通目/安田からの返信
「恐怖はなくならない」
人は恐怖に支配されると自己中心になる。スーパーでの買い占めなどはまさにその表れですね。確かにその通りだと思います。でもどうなんでしょう。やはり順番としては恐怖の克服が先なのでしょうか。まず自分を大切にする。余裕がないと人のことまでは考えられないから。まあ実際その通りですなんですけどね。でも、だからこそ、そこが試されているような気がするのです。余裕があるから人に優しくするのではなく、余裕がないときにこそ人に優しくする。それこそが真に恐怖に打ち勝った状態ではないのか。人間はそこに到達するために恐怖と戦っているのではないか。克服するまで決して恐怖はなくならないのではないか。そんな気がするのです。
前回90通目/大野「自分が世の中のために働いていない状態?」
エゴはかなり策略家で、僕たちの許可を得ることなく、恐怖を生み、恐怖に支配された状態の時に人は自己中心的になりがちです。また、ついつい他の人を小バカにしたり、あるいは通勤途中や仕事中にしかめ面をしたり、はたまた今風に言えば、炎上に安易に参加してしまっている時、つまりはネットで人を裁いている時など、それは決して自分が世の中のために働いていない状態を意味します。有難いと思っていないものを愛することはできません。恐怖は有難いと思うことを不可能にします。そして、僕たちが不可能な状況にいる唯一の理由は、不可能な状況にいることが可能であると僕たちが考えるからです。まぁ、きっとそれがエゴの戦略ですが。。
ー大野より
前々回89通目/安田「身近な人の笑顔」
結局そういうことになりますよね。私も55年生きてきて辿り着いたのはそこです。自分の周りにいる人。少しでも自分が関わっている人。そういう人たちをほんの少しでも笑顔にするお手伝い。やり方は人によって違うんでしょうけど。でもやるべきことはみんな同じ。コツコツと人のお役に立てるよう頑張る。たぶん人生の目的ってそれ以外には無いんでしょうね。なのにそれに気がつくのはこんな歳になってから。何とか残り少ない時間を誰かの役に立てるように頑張る。でもちょっと油断すると、やっぱり自分のエゴや利益のために頑張ってしまう。どこまで行っても、何歳になっても、人間とは愚かなものです。。
ー安田佳生より
交換日記をする二人
●火曜日
安田佳生(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。
●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto. com
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/