「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。
92通目/大野からの返信
「そもそもお前達の思考はどこの住人なのか??」
仰る通り、ヒーローは恐怖を感じない人ではなく恐怖を感じる中で、足をガクガクさせながらも良心を行動に移せる人。ただ僕にはほど遠い境地ですが、恐怖が生まれないという境地は十分にあり得ると信じています。かと言ってその人の心に恐怖が無いかというと在る。在るが噴き出てこない。有る無いではなく、空。
昔は注射は怖かったし、営業では断わられるのが怖かった。所が気づけば今、その恐怖は影を潜めている。けれどまた、僕にはその恐怖を感じない状態が全然理想とも思えない。むしろ下手したら鈍りにも見える。
そもそもお前達の思考はどこの住人なのか?が問われているように感じます。だって恐怖エリアの住人ならそこに帰るしかないので。
前回91通目/安田「恐怖はなくならない」
人は恐怖に支配されると自己中心になる。スーパーでの買い占めなどはまさにその表れですね。確かにその通りだと思います。でもどうなんでしょう。やはり順番としては恐怖の克服が先なのでしょうか。まず自分を大切にする。余裕がないと人のことまでは考えられないから。まあ実際その通りですなんですけどね。でも、だからこそ、そこが試されているような気がするのです。余裕があるから人に優しくするのではなく、余裕がないときにこそ人に優しくする。それこそが真に恐怖に打ち勝った状態ではないのか。人間はそこに到達するために恐怖と戦っているのではないか。克服するまで決して恐怖はなくならないのではないか。そんな気がするのです。
ー安田佳生より
前々回90通目/大野「自分が世の中のために働いていない状態?」
エゴはかなり策略家で、僕たちの許可を得ることなく、恐怖を生み、恐怖に支配された状態の時に人は自己中心的になりがちです。また、ついつい他の人を小バカにしたり、あるいは通勤途中や仕事中にしかめ面をしたり、はたまた今風に言えば、炎上に安易に参加してしまっている時、つまりはネットで人を裁いている時など、それは決して自分が世の中のために働いていない状態を意味します。有難いと思っていないものを愛することはできません。恐怖は有難いと思うことを不可能にします。そして、僕たちが不可能な状況にいる唯一の理由は、不可能な状況にいることが可能であると僕たちが考えるからです。まぁ、きっとそれがエゴの戦略ですが。
ー大野より
交換日記をする二人
●火曜日
安田佳生(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。
●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/