赤い出口、青い出口 第39回「『仕入れ』でネット商売を育てる」

このコンテンツについて
自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

第39回 「仕入れ」でネット商売を育てる

【誰でもできるネット販売】

個人の時代と言われ、副業やフリーランスで稼ぐ方が
増えてきています。
その背景は、個人のノウハウや技術を換金することが、
簡単になったことが挙げられます。

YouTubeやInstagramではフォロワーを。
楽天やAmazon、メルカリではモノを。
noteや電子書籍では文章が換金できますし、
数あるクラウドソーシングサイトでは、
IT技術やデザインが換金できます。

まずは、試しにやってみるとわかるのですが、
結構簡単に売上が上がっていきます。

ネットで売上を上げる。
ここまでは、だいたい誰でもできます。
ただ、自分ができるということは、
他人も簡単にできるということです。

 

【売れる仕組みに依存しない】

ネット商売で失敗する人は、
売上が上がって喜んでしまう人です。

その人はプラットフォームという
売れる仕組みに依存しているのに気づかず、
競争によって儲けが無くなっていきます。

ということは、
長く商売を育てていくためには、
プラットフォームを離れて、
なにか特色を出す必要があるということになります。

 

【自分自身の商品化】

販売に力を入れなくても良い世界は、
「仕入れ」が命です。
マーケティング・商品開発の発想も、
転換をしなければなりません。
「売れそうなもの」「売れるもの」から、
「世の中にないもの」「こだわりのあるもの」へと、
考え方を変えなければならないのです。

ということは、
ネット商売を長く続けるためには、
「仕入れ」において、
独自性、こだわりをもつ努力をしなければなりません。
そして、その特色を出す商品や材料とは、
自分自身にほかならないと気づくはずです。

「好き」「こだわり」「興味」「継続」
「執念」「関心」「行動」「活動」
「願い」「あこがれ」「望み」「期待」「喜び」

このような個人の主観的なキーワードで
商品・材料を考えていくことになります。

受験勉強や出世レースなど、
相対的な位置づけによって、
自身を表現してきた私達には、
とてもつらい作業になります。

まるで、就職活動の自己分析のようですが、
まさにそのとおりで、
自分自身を商品や材料に仕立て上げるのが、
ネット商売を長続きさせる秘訣になります。


【誰もやらないことが商品に】

わたくし事ですが、
「売れそう」「損しなさそう」で企画した
スキンケアオイルの商売も、
結果として、私自身の興味関心が商品化されています。

企画・構想段階で
輸入すれば売れるだろうと想像できましたし、
実際に輸入ルートもすぐ見つかりました。
ただ、
何が魅力なのか、私には全く実感できませんでした。
まったくです。

そこで、興味の赴くまま
実際に現地に行って、自然環境を体験し、
原料を見て、つくり手に話を聞いて、
ひとつひとつ納得して商品化しました。

片道30時間以上もかけて、
英語もフランス語も通じない辺鄙な場所に、
商品が納得できないからという理由で、
訪問する日本人なんて、ほぼいません。
個人の興味のままに行動したからこそ、
他にはない商品の魅力がついてきたのです。

これは、
モノとしての商品だけでなく、
サービスや文章、デザインでも同様なことが言えます。

自分の「好き」や「こだわり」、「行動」が
唯一無二の商品や特色になり、
ネットという換金システムを出口に社会に出ていく。

とても楽しい世の中になったと思いませんか?

 


- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
「自分が商売できないのに、人の商品が売れるはずがない。」と勝手に思い込んで、モロッコから美容オイルを商品化し販売しています。<https://aniajapan.com/>
売ったり買ったり、貸したり借りたり。所有者や利用者の「出口」と「入口」を繰り返して、商材を有効活用していく。そんな新規マーケットの創造をしていきたいと思っています。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史

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