第68回 海外生活は成長への入口

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自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

【都会へ海外へ】

ウガンダのオリンピックで来日した選手が、
失踪したというニュースがありました。
自国がとても貧乏なので、
日本で働きたいとのこと。

ウガンダは仕事で何度も行っています。
この10年に限っていえば、
実家のある福岡より多く訪問していますし、
愛着のある国ではあります。
その貧しさも多少はわかる気がします。

実際のところ、
彼が日本で働いたとしても、
とても苦労するでしょう。
ウガンダのこれから20年の成長とともに
生活したほうが良いような気がします。

ただ、なんとなくその気持ちはわかります。
私はこのウガンダ選手のように、
きらびやかな都会に憧れ、
物質的な豊かさに魅力を感じ、
福岡から上京してきたのですから。

私はそれと同時に、
海外に対する憧れもありました。
日本以外で生活するのが、
私にとっての目標でしたので、
ルールを破ってまで、
先進国の日本で生活をしたいという
ウガンダ選手の気持ちはわかります。

【海外生活は自己研鑽】

しかし、子どもたちに聞くと、
海外に憧れなんてないそうです。
都会に魅力は感じるようですが、
海外はあこがれの対象ではなく、
能力開発の場だと言います。

確かに、
学業にしてもスポーツにしても、
高い業績を出す人は、
海外で生活する人が多くいます。
ノーベル賞は海外で活躍した方が
多くいらっしゃいますし、
オリンピック選手も、
海外在住の選手が多く選ばれます。

成長や活躍の場を求めて海外に行くのか、
海外に行ったら成長できるのか、
どちらか知りませんが、
大方の場合、
日本にいるより海外のほうが、
ノーベル賞やオリンピックに近いとも言えます。

【海外へ出よう】

日本は良いところ、物価も安く、
歴史もあり、安全も水もタダです。
しかし、自分を成長させる環境としては、
最適ではないのかもしれません。
自分の子供に対してもそうですが、
若者には、海外に出て行ってほしいと思います。

海外に住むと、
日本の常識では考えられないことが日々起こります。
喜ぶ理由も、泣く理由も、
私達とは違うのを実感できます。
もちろん、勉強やスポーツ、仕事をする動機も
画一的なものではありません。
その中で生活することは、
多様性を認める社会に適応していくこと
そのものだと思うのです。
そうして、
自身の活躍の場も広がっていくはずです。

日本自体を「出口」にする必要はありませんが、
個人、とりわけ若い人にとっては、
海外で生活することが、
「成長・活躍への入口」としての認識がでてくると、
良いなと思っています。

 

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- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
「自分が商売できないのに、人の商品が売れるはずがない。」と勝手に思い込んで、モロッコから美容オイルを商品化し販売しています。<https://aniajapan.com/>
売ったり買ったり、貸したり借りたり。所有者や利用者の「出口」と「入口」を繰り返して、商材を有効活用していく。そんな新規マーケットの創造をしていきたいと思っています。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史

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