第67回 日本の年齢

このコンテンツについて
自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

私は「団塊ジュニア」と言われる世代です。

10代は、
47人学級の溢れる人のなかで、
埋もれたくないと思いながら過ごしました。
20代の頃は、
「失われた20年」に抗いながら、
働いたら働いた分だけ収入上がると、
会社にダンボールを敷いて寝てました。
30代は、
年金が枯渇すると言われ、
年配の方や上司を羨ましく
思っていたような気がします。

いずれにせよ私は、
社会に対して何らかの不満を持ちながらも、
それをエネルギーにして生活してきたようです。

そして、40も半ばを過ぎて、
社会に対する不満は感じなくなりました。
老化したからとか、
社会に不満を持っても変わらないからとか、
そんなことではありません。

ふと気づくと、
将来への不安もそんなになく、
やりたいことも結構自由にできているのです。
つまり、
生きやすい世の中になったなと思うのです。

個人の性格や、時代背景などはありますが、
おそらく自身の年齢と、
日本の年齢が一致したのかなと思うのです。
現代の日本は、私の年代にあった制度や、
その考え方にあった法律で
運営されているといえます。

そう考えていくとおそらく、
日本の年齢は、人間に例えると
45歳〜50歳くらいではないでしょうか。
どうやら中高年の域に達していそうです。
世界を見渡すと、そんな感じもしてきます。

ということで「団塊ジュニア」は、
我が世の春を謳歌しているのですが、
これは決して良いこととは言えません。
国も私達と一緒に歳をとったら困るのです。

今、団塊世代が起業した会社が、
相当数寿命を迎えようとしています。
会社を作った人が
自身に気持ちの良い経営を続けていると、
その人の寿命とともに、
会社も期限切れとなるようです。

国もその年齢に合わせて心地よい世代があり、
それとともに歳をとると、
寿命を迎えることになるような気がします。

正しく国や会社を継続していくためには、
誰を心地よくさせるのか考える必要があります。
それを間違えると、
国や会社の出口が不幸なことになりそうです。

 

著者の他の記事を見る


- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
「自分が商売できないのに、人の商品が売れるはずがない。」と勝手に思い込んで、モロッコから美容オイルを商品化し販売しています。<https://aniajapan.com/>
売ったり買ったり、貸したり借りたり。所有者や利用者の「出口」と「入口」を繰り返して、商材を有効活用していく。そんな新規マーケットの創造をしていきたいと思っています。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史

感想・著者への質問はこちらから