人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第103回 流行りの家具を買っても「満たされない」正体

ああ、ウィリアム・モリスという19世紀イギリスのデザイナー・思想家の言葉ですね。産業革命による大量生産の時代に、労働や生活の中に美しさを取り戻そうとした人で。すごく共感して、よく使わせていただいています。

そうそう。インフルエンサーが「このスタイリッシュな家具がいい」と言えば、自分が本当に美しいと思っているわけではないのに「そうかも」と思って買ってしまう。それは自分の価値観ではなく、他人の判断基準を家の中に持ち込んでいることになります。あくまでも主語は「自分」でなければいけないんです。

確かに。我々より上の世代は「有名な会社で肩書きを持つこと」こそが美しいと信じ込まされてきましたよね。それが行き過ぎて、定年退職してからも地域の集まりで現役時代の名刺を出す人がいるらしいですよ。「元〇〇商事の部長です」って。

ああ〜、いいですね。それが理想なのかもしれない。職業は役割、つまり自分の魂をどう使うかという指針なわけで、そこを意識していないと、無自覚に誰かの判断基準が自分の中に入り込んでしまう。どんなにお金をかけてもどこか満たされないのは、判断基準が自分のものではないからかもしれません。

そうかもしれませんね。そういえば15年くらい前に誕生日祝いでロイヤルコペンハーゲンの小さなゾウの陶器をもらったことがあって。あまり興味が湧かなかったんですが、1年くらい前に「なぜゾウをくれたんだろう」とふと気になって調べてみたんです。

わかります。もちろん誰かと共有するスペースではある程度の妥協が必要ですけど、自分だけのスペースに関しては、徹底的に自分の内側の基準で構成したいですよね。安田さんが選んだサイも、単体としての美しさ以上に、ゾウとのバランスを含めた「安田佳生の美意識」が選ばせたんだと思います。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















