庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第70回 「庭の記憶」が育む、これからの日本に必要な感性

もちろん、施工事例などをご覧いただいて「木をうまく使ってほしい」と希望される方も多いですよ。ただ駐車場やカーポートの施工を優先すると、そういった部分で調整するしかなくて。

ああ、素晴らしいです。でもあらためて考えると、日本の自然ってすごく豊かで魅力的だと思うんです。実際、欧米のような日本より文化が進んだところから、日本の自然を見に飛行機で20時間もかけて来たりするわけですよ。

なるほど。安さや便利さ以外にも目を向けていくことが大事なんでしょうね。実際お庭を作っていても、コンクリートや人工芝を敷くだけなら、あっという間に終わってしまうんです。でもそれでは味気ないような気がして。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。