第112回 新人が即戦力になる「ハウオリ」という技術

この対談について

「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。

第112回 新人が即戦力になる「ハウオリ」という技術

安田

岩上さんは以前から「ハウオリを導入すると新人が早く戦力化する」と仰っていますが、なぜそんなに早く新人が自立できるのか…今日はその秘密に迫りたいと思います。


岩上

ありがとうございます。それを語るには、まず僕の修行時代の話をさせていただければ…(笑)。

安田

岩上さんの修行時代、気になります!


岩上

今から30年以上も前の話になりますが、当時は美容学校は1年で卒業し、次の1年間は現場で実施修練…つまりインターンをすることで、ようやく国家試験を受けることができたんですよ。でも僕は2年目も学校に残り、「専攻科」という特別クラスでさらに1年勉強をしたんです。

安田

へぇ〜。その特別クラスではどんな技術を学んだんです?


岩上

ひたすら接客です。半ば洗脳のように(笑)、「接客がいかに大切か」ということを叩き込まれていました(笑)。

安田

笑。周りの同期が現場でインターンをしている間、岩上さんは接客を深く学び続けていたわけですね。


岩上

そうそう。だから美容学校を卒業して就職したものの、技術はボロボロでしたね。お客様にシャンプーしても、背中を濡らすし耳に水は入れちゃうし…(笑)。

安田

なんと! …お客さんに怒られちゃったんじゃないですか?(笑)


岩上

いや、それがそうでもなくて。普通ならすぐクビになってもおかしくないんですけど、僕は学校で接客を叩き込まれていたのでお客様への「おもてなし」は上手だったんです(笑)。だからお客様がとにかく応援してくれて。

安田

へぇ〜すごいなぁ。技術不足を接客スキルでカバーしていたわけですね。


岩上

ええ。そのおかげか、あっという間にお客様に名前を覚えていただけるようになったんです。すると今度は「岩上さんはいつ私のカットをしてくれるの?」って聞かれるようになりまして…。

安田

え、まだ新人なのに? それは嬉しいですね。


岩上

はい、嬉しかったですね。だけど僕はお店から合格をもらえていなかったので「まだ無理なんです」って答えたら、「私がいいって言ってるんだから、今度切ってよ」とまで言ってくださったりして(笑)。

安田

わ〜、それはすごい。そう言われたら、お店もOKするしかないんじゃないですか?(笑)


岩上

そう思うでしょ?(笑) だから僕も先輩に「お客様がこう言っているので、カットしてもいいですよね?」って言ったんです。そしたら「バカか! そんなのダメに決まってんだろう!」ってめちゃくちゃキレられました(笑)。

安田

あはは、やっぱりダメでしたか(笑)。


岩上

はい(笑)。とは言え、実際にお客様は毎回1時間以上も待たされているわけですよ。でも僕がカットできるようになれば、お店も回るしお客様だって喜んでいただける。それの何がダメなの? って全然納得いかなかったのを覚えています。

安田

なるほどなぁ。でも先輩からしてみても、「自分のお客さんを新人に取られるわけにはいかない」って思う部分はあったのかもしれないですね。


岩上

それもあったでしょうね。当時は「担当客数が多ければ多いほどすごい」みたいな風潮もありましたし。なんというか、狭くて閉鎖的な世界でした(笑)。

安田

そんな中で、岩上さんはどうなったんですか?


岩上

結局、お客様たちからの熱烈な後押しもあって、普通は2〜3年かかるところ、僕は入社して半年でデビューさせてもらえました。

安田

へぇ〜すごい!


岩上

やっぱり技術力をアップさせるのはもちろん大事ですけど、僕はそれ以上にお客様から「デビューを待ち望まれる自分」を作り上げていったのが良かったんだと思っていて。だからこそ、新人教育もこうあるべきなんじゃないかなと考えるわけです。

安田

ふーむ。逆に言えば、従来の技術重視の教育では、新人はなかなか育たないということですか。


岩上

そうそう。一番大事なのって、お客様の表情や感情で。それを無視して勝手に髪の毛を触るなんて、練習用の人形の頭を触っているのと同じことになっちゃうと思うんです。それよりもデビューした瞬間に「あなたが1人前になるのを待っていたわよ」って言ってくださるお客様がいるのが理想かなと。

安田

なるほどなぁ。それを仕組み化したのが「ハウオリ」なんですね?


岩上

そういうことです。ハウオリは、美容学校で誰もが習う「ワインディング」という技術がメインなので、お店で改めてトレーニングする必要がないんです。

安田

学校で学んだ基礎が、そのまま戦力になるわけですね。


岩上

ええ。そうすると、カットやカラーといった技術を覚える前から、ハウオリを通じてお客様と密なコミュニケーションが取れる。すると当然お客様の満足度もアップしていくので、結果として、新人の戦力化が圧倒的に早くなる、というわけです。

安田

素晴らしいですね。そうやってお客さんから「デビューを待ち望まれるような新人」になれれば、お店もお客様も新人も、皆ウィン・ウィンな状態になれると。いやぁ〜新人教育という面からみても、ハウオリが素晴らしい技術だということがよくわかりました!


対談している二人

岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表

Instagram  Facebook

美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

Twitter  Facebook

1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

感想・著者への質問はこちらから