人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第114回 お金儲けという「リアル人生ゲーム」の楽しみ方

仰るとおりです。自分のやったことが他者の喜びになり、それが明確な数字や報酬として返ってくる。こんなに面白くてやりがいのあるゲームは他にないと思うんですが、なかなかその感覚が浸透しないのがもどかしいですね。

そうなんです。でも世間を見渡すと「お金稼ぎは本当にしんどい」「生活のために仕方なくやっている」という人が圧倒的多数じゃないですか。なぜこんなにも楽しいゲームが、心底しんどくて辛いものになってしまっているのかなと。

私自身にとってもそれが一番ホットなテーマでもあるんですが、「労働と美の一致」が分断されてしまったことが大きいんじゃないかと。労働が単なる苦役になり、お金と交換に命令を実行するだけの作業になってしまっているんです。

ああ、確かに。会社員であれば一番長くて1ヶ月スパンですよね。1ヶ月後に給料日が来て、早かったら日払いでその日のうちにキャッシュが入ってくる。その短いサイクルの中でしか損得を測れなくなっていると。

そう思います。例えば「今日8時間働いたんだから、このくらいもらわなきゃ損だ」というように、自分の投じた時間に対する対価を短期で回収しようとする。だからこそ、仕事がただの「しんどい時間とお金の交換」という感覚になってしまうんだと思います。

ええ。さらに言えば、例えば10の給料をもらっていて自分は10の仕事をしているとします。でも同じ給料なのに8しか仕事をしていない同僚を見たら、「あいつはずるい、自分は損をしている」と思ってしまう人が大半だと思うんです。

ええ。一方で同じ10の給料でも、自ら進んで12の仕事をすることだってできる。どうせ同じ時間を使うなら、楽をするより必死に頑張って12の仕事をした方が成長できるじゃないですか。でもなかなかそうは思えない。

ああ、それは間違いないですね。言われたことをとにかく作業として実行するだけだと、いくら時間が長くても疲れるだけで、別にスキルアップはしませんから。主体性が伴って初めて、その労働が自分の血肉になっていく。

そうそう。経営者さんの中でも「FIRE」を目指して、若くして引退したがる人がけっこういるじゃないですか。経営者だからといって主体的に楽しく働いていたわけじゃなく、やっぱり仕事がしんどかったんだろうなと思うんです。

そう考えると、藤原さんがいつも仰るように「美意識」を持って仕事に向き合うことが大事なんでしょうね。

そう思います。自分の仕事が人生にとってどんな意味を持っているのか、そういう意識を持てるかどうかで仕事の捉え方が全く変わってくる。実際、プライベートよりも仕事を通じてお客様や取引先からいただける感謝の方が、質も量も大きく上回る気がします。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















