第48回 思考を現実化させる「生き方のセンス」

この対談について

人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。

第48回 思考を現実化させる「生き方のセンス」

安田

「思考は現実化する」とよく言われますが、本当にそうだなと思うんです。ポジティブに考えるとポジティブな結果が、逆もまた然りで。


藤原

そうですね。思い描いた通りになることは確かだと思います。短期的にはその通りにならないこともありますが、長期的に見れば、人生はほぼ自分が思い描いた通りになるんじゃないかと。

安田

そうですよね。でもなんでそうなるのか、あらためて考えるとよくわからない。だから一つの仮説を立ててみたんです。


藤原

ほう、それはおもしろそうですね。ぜひ聞かせてください。

安田

例えば道を歩いていて転んだり、宝くじが当たったり、生きてるといろいろあるじゃないですか。同じ出来事でも、「なんて幸せなんだろう」と喜ぶ人もいれば、「なんて不幸なんだろう」と嘆く人もいる。


藤原

そうですね。人によって、その現象の捉え方はさまざまですよね。

安田

そうなんです。で、その捉え方によって、その後の行動が変わるわけです。それによって未来が変わっていくんじゃないかと。


藤原

ははぁ、なるほど。確かにそうですね。不幸になる人って、何でもマイナス思考で捉えていたりしますもんね。「どうせ私なんかダメだから」なんて言ってたら、そりゃダメになっていくだろうなと。

安田

そうそう。ある意味、不幸になるべくしてなっているというか。でも「そういうものだ」と言い切ってしまったら、多くの人には響かない気がするんですよ。


藤原

うーん、確かに。納得感を持ってもらうには、もう少しわかりやすく説明する必要がありそうです。

安田

そうなんです。例えば、なぜ同じ現象を人によって真逆の捉え方をするのか。これは生まれ持った性格というか、ポテンシャルによるんでしょうか。


藤原

生まれながらに後ろ向きな赤ちゃんはいないでしょうし、後天的なものだと思いますね。失敗体験の積み重ねで、「やっぱりダメだ」と思い込みやすくなるとか。

安田

なるほど。確かにそうですね。それでいうと、環境的な要素も関係がありそうです。例えば思考する際にどの言語を用いるかによっても変わりますよね。私自身もアメリカに行って英語で思考する習慣がついたことで、心の状態が大きく変化した経験があります。


藤原

ははぁ、確かに言語による影響はありそうですね。実際、脳も言語で統制されているわけで。

安田

そうそう。どういう言語を浴びて育ったかで、人間性が変わるんじゃないかと。


藤原

同感です。「お前は大丈夫」「お前ならできる」と言われて育つと、たとえよくないことが起こっても、「きっと意味があるはず」と思えるのかもしれない。

安田

植物に悪口を言い続けると、だんだん元気がなくなって最終的に枯れてしまうという話もありますしね。あれ、実際に実験でもそうなるらしいんですよ。


藤原

そうなんですか。それは興味深いですね。

安田

なぜそうなるかというと、言葉によってそれぞれ振動があるらしくて。つまり空気が揺れるんですけど、体にいい揺れ方と悪い揺れ方があって。悪口は悪い揺れ方をしてるんですって。


藤原

へぇ、おもしろいですね。逆にポジティブな言葉は体にいい揺れ方をしてるわけですね。

安田

そうそう。だからポジティブな言葉を浴び続けていると、細胞から元気になっていくわけです。その結果、体全体が幸せや運の良い方向に変化するんじゃないかと。


藤原

ははぁ、なるほど。私も6000日近くメルマガを書いてきましたけど、自分自身にポジティブな言葉を浴びせてるような部分がありますからね。

安田

わかります。そう考えると、「ひとりごと」もけっこう侮れないというか。「なんて幸せなんだろう」とか「なんて運がいいんだろう」って毎日繰り返し言い続けてたら、どんどんそうなっていく気がしますよね。


藤原

いやぁ、確かにそうですよね。私も仕事で大変な時に、「これを乗り越えたらまたレベルアップしてしまうな!」なんてひとりごとを言いながら取り組んでいたりするんです。いつの間にか癖になってましたけど、それも効果があるのかもしれない(笑)。

安田

経営者は励ましてくれる上司がいませんからね(笑)。自分を奮い立たせるために、ポジティブに考える癖が付くのかもしれませんね。実際、私もそうですよ。


藤原

ああ、やっぱり(笑)。ワイキューブの民事再生の時も、普通の人だったら心が折れてますよ。

安田

いや、ちゃんとめげてはいるんですよ(笑)。会社が潰れるなんてやっぱり大変なことですし。あとは離婚した時もすごくめげましたし(笑)。


藤原

そうだったんですね。それは失礼しました(笑)。

安田

でも倒産してしまったものは仕方ないですからね。そこから別の人生が始まるとも考えられるわけで。「あのまま順調に進んでいたらできなかったことをやってみよう」という風に思うようになりました。

藤原

なるほどなぁ。そう考えると、新たな道に進むキッカケになったとも言えるわけですね。

安田

ええ。そういう意味では、幸せな人生だと思います。だから「気持ち次第で人生はその瞬間から180度変わる」というのは、やっぱり事実なんだろうなと。


藤原

本当にそうですよね。自分次第でどうにでもなるんですよね。信じていない人に伝えるのは難しいですが、そうとしか言いようがないというか(笑)。

安田

それはもう「だまされたと思って一回やってみて」としか言えないですよね(笑)。それを信じる力もセンスだと思いますよ。


藤原

確かに。疑っても意味のないことは一旦信じてみるというのも、「生き方のセンス」なんでしょうね。

 


対談している二人

藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表

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1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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