その198 アク

メディアでインタビューを受けている起業家だとか、売れっ子フリーランスの方の語るところによれば、なぜ今に至ったのかの起点に、ときおり
「サラリーマンの生活ができなかったから」
というのをお見受けいたします。

朝起きられないとか、周囲の人と適度に折り合いをつけることができないとか、致命的なマイナスの性分をかかえていて、現在の道に進むしかなかったのだと。

むかしはわたくしもそれを素朴に受け取っておりました。
なるほど、それくらいのアクがある代わりとして才能があったのだな、と理解していました。

しかし、平凡な仕事生活を送っている中でも、「朝起きられない人」には出会ったことがあります。
当時、仕事で現場作業がある時に早朝や深夜に決められたメンバーが集合することになっていたのですが、朝早いと1/3くらいの確率で時間通りに来ない人というのがいました。

月に1回遅刻するとかではなくて、3回に1回です。

そのたびにほかのメンバーでなんとかやりくりしていたのですが、ルールを守れなければ懲戒されるような世界でもなかったので、その方は普通に勤務しておりました。
その会社にまだいれば、いまでも朝は起きられていないでしょう。

その方は「いいかげんな人」ではありませんでした。

むしろちょっと小心な、真面目な職人肌の方でした。大幅な遅刻をするたびに心底申し訳なさそうにしていました。

「ちゃんと起きなきゃって思うと、それがプレッシャーになってどうしても起きれないんだよねえ…」と、何言ってるかわからないことを言っていました。

これにかぎらず、ほかの要素でも同じようなことはあります。

最近聞いたところだと、女性のパートさん同士が共同作業を割り当てられたとき、お互いに「コイツとは一緒にやりたくない」という空気を噴射して、やむなく周囲が調整に回ったそうです。
パートさんの業務は日常的な作業で、まわりが骨折りをして進めるような対象ではもともとありません。

これらを勘案しますと、どうやら以下のようにいえそうです。

世間的な才能があろうとなかろうと、等しくみんな、それぞれに濃厚なアクをかかえもっているのだと。
 

 

この著者の他の記事を読む

著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

リーマン20年のキャリアを3ヶ月分に集約し、フツーだけど濃度はまあまあすごいエッセンスをご提供するカリキュラム、「グッドゴーイング」を制作中です。

感想・著者への質問はこちらから