その24 わたくしの正体を明かします

HTMLくらいわかっていないとネットでなにもできなかった時代から、
あれがはやりこれが廃れのくりかえしで幾星霜、
何年か前の、
フォーマットに乗って文章を書けばOKだったアレもそろそろオワコンで、
いま何かいいたいことがあったら
顔出しまでしないまでも、自分をさらしてしゃべらなきゃあなりません。

そのジャンル、「動画」は世界一のレッドオーシャンです。皆様ご存じです。

媒体が動画でなければ受け取れない、飲み込めないというのは、
いわば
口の中に入れないと食べられないのと同じではないかと思うのですが、
とにかくそれが世界のルールなのですからしかたありません。

世間の常識、デファクトスタンダード、あたりまえ。
ルールというのはつねに冷酷無慈悲でありますから、
きまりごとに則っていなければいいも悪いもなくその世界に存在が許されませんし、
いったん参加したら次にはもう
数字のためになりふり構わず、戦って戦って戦い続けなければなりません。
修羅の世界です。

急に具体的なことをいって恐縮ですが、
「サムネ詐欺」なんて俗語がございます。
動画だったらサムネイルに期待して見てみたら
まったく予想と違う内容で失望した、ということを指します。
そんなとき、制作者側は意図的に作っていたどころか、
そういう形で非難されることすら織り込み済みであったでしょう。

しかしそれが悪辣な奴の専売特許かといえばさにあらず、
あまり扇動的でないというか、ごく普通のコンテンツをやっている制作者でも
動画のサムネイルやタイトルで釣り的行為をするのはごく一般的で、
それが問題視されるようなこともまずありません。

これらはひとえに、
修羅の世界を生き抜くために
自然に身につけたカマシの手段であり、
マスの単位に固まらなければタダ同然の経済価値しかない、
池にたむろする鯉のような
インターネットのカオナシ達がぱかりと広げた口の中に
自分のコンテンツを放り込むための正当な漁法なのであります。

だいたい
先に用意したおもしろげなタイトルほどおもしろい内容など
あとから用意できるわけ、ないですわなあ。

 

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著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

リーマン20年のキャリアを3ヶ月分に集約し、フツーだけど濃度はまあまあすごいエッセンスをご提供するカリキュラム、「グッドゴーイング」を制作中です。

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