【GlobalPicks/vol.144】経済的打撃と感染恐怖「シリーズ コロナ後の世界(No.6)」

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


「シリーズ コロナ後の世界(No.6)」として、Numeratorのサイトから「COVID-19によって消費者行動がどのように変わるのか?」についての記事を読み込んでます。

The Impact of Coronavirus (COVID-19) on Consumer Behavior
(COVID-19が消費者行動に与えるインパクト)
https://www.numerator.com/resources/blog/update-impact-coronavirus-covid-19-consumer-behavior-us-15

Numerator社が10/ 30現在のサーベイデータをまとめているので、 直近の動向と言えます。なお、 Numerator社はUSの会社で、 サーベイはUSのデータです。

いくつかの「今後の消費者行動のあり方」があげられているので、 ひとつづつ紹介していきます。

Economic impact and fear of infection top-of-mind
(経済への打撃と感染への恐怖感が最も大きな心配事)

The economic impact of COVID-19 and the fear of getting sick remain at the top of the list when it comes to consumer concerns, though fear of infection is the primary concern for three times as many individuals.


COVID19による経済への打撃と感染してしまうことへの恐れが、未だに一般消費者の1番の心配事になっている。
ちなみに、Primary Concern(1番の心配事)という意味では、感染してしまうことへの恐れは、多くの人にとって経済への打撃への心配の3倍ものスコアになっている。

COVID-19の「何が心配」ですか?という問いかけへの回答が下記のチャートです。

緑がPrimary Concern(1番の心配事)で、青が(心配だけど1番ではない)を表していて、棒グラフの右横の青字の数字が、その2つの合計値です。

下記のことが読み取れます。
・Impact on economy(経済への打撃)が「広く」心配のタネになっている
・Becoming infected(家族の感染)が2番目に「広く」心配のタネになっている
・しかし「1番の心配事」という意味合いでは、圧倒的にBecoming infected(家族の感染)があげられる

心配の「広さ」でいうと「経済の打撃」が広く心配されていて、「深さ」とか「密度」でいうと「感染への恐怖」、という感じですね。
重篤な人や亡くなる人が多いアメリカならではの数値かもしれません。

サーベイや統計の世界では、このチャートでいう緑の部分(最も〇〇だ、の部分)をTOP BOXと呼び、グラフの緑と青の合計(グラフ右の合計値)をTOP2 BOXと呼びます。

そして、TOP2 BOXのスコアがほぼ似た数値の2つの要素(今回のグラフの上位2つ)が、TOP BOXで見ると大きな差が開いていること(まさに今回のケース)は稀な事例です。こうした場合「何らかの重大なInsight(インサイト/本質)」がそこに必ずあるのです。

先の大統領戦では「経済重視のトランプ VS 感染対策/コロナ収束重視のバイデン」という構図をバイデン陣営が描いてうまく世論誘導したものと思われます。もちろん方便でしょうけど(笑)

そういう意味では「心配の広さ VS 心配の深さ/密度」の戦いを読み切ったとすれば、あっぱれですね。

なお、Impact on job security(仕事/就労への打撃)も、TOP BOX(緑の部分)のスコアがTOP 2BOX(合計値)に対して、大きな比重を持ってますので、心配の「深さ/密度」という意味で、深刻な実情を映ししているのでしょう。

「感染したくない」けど、結果的に「仕事を失うのは嫌」だから、何となく「経済回さないと!って言ってしまう」苦しい人々の現実が浮かんできますね。。。


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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