GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道
引き続き、McKinsey(マッキンゼー)が年初に寄稿した記事から、コロナ後のNext Normal(ニューノーマル)を考えたいと思います。
今週の記事はこれ
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The next normal arrives: Trends that will define 2021—and beyond
(ニューノーマルがやって来る:2021年とそれ以降の世界を決定づけるトレンドとは?)
2021年以降のニューノーマルを定義づけるいくつかのトレンドがリストアップされています。
先にリストを提示しておきます。
・The return of confidence unleashes a consumer rebound
・Leisure travel bounces back but business travel lags
・The crisis sparks a wave of innovation and launches a generation of entrepreneurs
・Digitally enabled productivity gains accelerate the Fourth Industrial Revolution
・Pandemic-induced changes in shopping behavior forever alter consumer businesses
・Supply chains rebalance and shift
・The future of work arrives ahead of schedule
・The biopharma revolution takes hold
・Portfolio restructuring accelerates
・Green, with a touch of brown, is the color of recovery
・Healthcare systems take stock—and make changes
・The hangovers begin as governments tackle rising debt
・Stakeholder capitalism comes of age
先週の続きを見ていきます。
・The future of work arrives ahead of schedule
(「仕事の未来」が前倒しでやって来る)
The McKinsey Global Institute (MGI) estimates that more than 20 percent of the global workforce (most of them in high-skilled jobs in sectors such as finance, insurance, and IT) could work the majority of its time away from the office—and be just as effective.
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マッキンゼーの研究によると、世界の労働力の20%以上(主にファイナンスや保険やITなどの高スキル層)が、オフィスにいなくて働くことができるし、実際に効果的だ
すでに20%の「働き手」にとってオフィス労働不要、という分析ですね。
この動きをさらに加速させたのがパンデミックでした。
では「オフィス」って本当に不要なのか?という疑問にも、マッキンゼーが答えています。こんな感じです。
One is to decide the role of the office itself, which is the traditional center for creating culture and a sense of belonging.
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(リモートワークを進める上でのチャレンジのうちの)1つは、文化と帰属意識を創り出す中心地である「オフィスの役割」自体を決める(再定義する)ことです。
オフィスの役割には「働くための場所・作業するための場所」という基本的な機能に加えて「文化形成」と「帰属意識醸成」の場という役割があります。「働くための場所・作業するための場所」では無くなっていくとするならば「オフィスの役割」を何と定義するのか?が問われている、ということですね。
やっぱり「文化形成」と「帰属意識醸成」のためにオフィスは必要なのか?
もしくは「他の何かのため」にオフィスが必要なのか?
それとも、オフィスなんて本当にいらないのか?
少なくとも「オフィス不要論」がさらに広がって定着するためには、「文化形成」と「帰属意識醸成」を『リモートワーク環境下で如何に達成するのか?』に対して各社の経営陣(もしくは評論家の人たちなど)がいくつかの「納得感のある」答えを用意する必要がありますね。
「The future of work」の本質は、「リモートで作業すること」そのものよりも、リモートで「文化形成」と「帰属意識醸成」を可能たらしめる組織が、今後将来的に「良い人材を独占」する世界に突入していく、という労働市場原理のパラダイムシフトなのかもしれません。
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。
小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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