【vol.189】「2021年、11のスタートアップトレンド」リジェネラティブ農業

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、全然有名ではないメディアですけど、たまたま見つけた下記の記事を読み込みます。

今回の記事はこれ

Eleven Startup Trends In 2021
2021年、11のスタートアップトレンド
https://toolowl.com/trending-hot/eleven-startup-trends-in-2021/

11のリストは下記の通りです。

1. BioTech Startups are on the Rise
2. Online Education for the win!
3. Sustainable Financing Hits the Mainstream
4. Untapped Market Identifiers
5. Circumvent the Coding Issue
6. Share the Loot Instead of Losing it All
7. Agility is the Greatest Ability
8. Consumers Want Convenience
9. Address the Large Population
10. Personalization and Customization are the Keys
11. Wealthtech is Also Gaining Fast

早速今週分を見ていきます。

9.Address the Large Population
人口増大に対処する

Whatever may Elon Musk say about population collapse, studies indicate that the Earth has more people than it could handle. The primary problem with a large population is food. Therefore, startups focusing on regenerative agriculture (the next step after sustainable agriculture) are gaining rapid recognition.

イーロン・マスクが人口減少についてどう言おうと、各種研究では「地球には対処できるよりも多くの人口がいる」ことが明らかです。人口増大における最大の問題は「食料」です。よって、regenerative agriculture(sustainable agricultureの次のステージ)に集中投資しているスタートアップ企業に注目が集まっています。

人口増大に伴う「食料課題」を解決するスタートアップに注目があつまる、という話ですね。話自体はよくある話です。

注目したいのは「sustainable agricultureからregenerative agricultureへのステージ移行」です。

単語を定義化しておきますね。

————————
sustainable agriculture(サステナブル アグリカルチャー):持続可能な農業

regenerative agriculture(リジェネラティブ アグリカルチャー):再生農業

————————

sustainable agricultureの段階では「ふんわりとSDGs文脈」で、持続可能な(継続性の高い)農業形態全般のことを指していたようです。日本で言うと「後継者問題」とか「農業やる人いない問題」が該当する感じですかね。

regenerative agricultureの段階にシフトしてきているというのが本文の主旨ですが、あまり詳しくないので「リジェネラティブ農業=再生農業」をググってみると、下記のようなことでした。

リジェネラティブ農業とは、土壌の有機物を再構築し、土壌の生物多様性を回復させることで、二酸化炭素の大気中への排出を抑制する炭素隔離や水循環の改善をもたらし、気候変動対策にもつながる農法で、「再生農業」や「環境再生型農業」とも呼ばれる。

※Agrijournalより抜粋

明らかに「SDGsそのもの」への具体化・明確化が進んでいますね。

多分、SDGsそのものがここ数年で「ふんわりした概念的なもの」から「明確な形のある言語化できる具体的なもの」へとシフト(洗練)してきているのかな、と思います。

結局のところ、SDGsを「ふんわりしたもの」ではなく「形のあるもの」へと“テクノロジーの力で落とし込む”ことができるスタートアップが注目される(投資資金を集める)、というのがセオリーになってきたということでしょう。

投資を目的として、regenerative agricultureで日本代表クラスの企業を探してみようかな、という気になり始めました。(←明日には忘れているかもしれませんが。。)

 

著者の他の記事を見る


「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
著者ページへ

感想・著者への質問はこちらから