GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道
先週までの、EXPLODING TOPICSの延長戦として、自動車業界の最新トレンドという視点で、Deloitteが発表しているレポートを見ていきます。
今週の記事はこれ。
2024 Global Automotive Consumer Study
(2024年のグローバル版自動車消費者研究)
https://www2.deloitte.com/us/en/pages/consumer-business/articles/global-automotive-consumer-study.html
下記の4つのトレンドがあげられています。
Trend 1: Vehicle electrification
Trend 2: Future vehicle intentions
Trend 3: Connectivity
Trend 4: Vehicle subscriptions
まずは、「Trend 1: Vehicle electrification」を見ていきます。
Trend 1: Vehicle electrification
(自動車の電気化)
High interest rates and elevated sticker prices may be causing consumer interest in EVs to soften in some markets. Despite automaker price cuts and government incentives designed to make them more affordable, a variety of other challenges continue to stand in the way, including range anxiety, charging time, and availability of charging infrastructure.
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金利の高騰やステッカー価格の高騰により、一部の市場ではEVに対する消費者の関心が軟化している可能性がある。自動車メーカーの値下げや政府による優遇策にもかかわらず、航続距離への不安、充電時間、充電インフラの利用可能性など、さまざまな課題がEVの普及を阻み続けている。
一時期めちゃくちゃ盛り上がっていたEVへの関心が「薄れてきている」のが2024年のトレンドで、政府がどんだけ優遇してもなかなか「継続的な盛り上がり」につながらないことがわかってきたのが「イマココ」という感じですね。
ちなみに、各国の消費者が「次にどんな種類の車を買いたいか?」を回答したグローバル調査の結果が下記のグラフです。
欧米のマジョリティの次の車は「ガソリン/ディーゼル」です。
いわゆる「バッテリー型電気自動車(BEV)」は中国によって牽引されているものの、欧米ではかなりマイノリティだということがわかります。
「ハイブリッド型のEV」も、日本と韓国が押し上げているものの、欧米ではマイノリティとなっています。
政府やメディアによる「煽り」によって、一見「EVが次世代自動車確定」のような気になってしまいますが、そんなことは全然なくて、本丸の欧米が「ガソリン/ディーゼル」を選びたがっているのが実態とわかります。
本文でも下記のようにサマリーされています。
Slowing EV momentum may be putting current decarbonization timelines in jeopardy.
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EVの勢いの鈍化は、現在の脱炭素化のスケジュールを危うくするかもしれない。
国際社会であれだけ声高に表明された、「2050年までにネットゼロを達成する」という取り組みの主軸の一つだったはずの自動車産業の、道のりの厳しさが指摘されています。。。
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。
小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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