今週は!
懇意にしている鳥取のお醤油会社から、日本海の冷気を纏った荷物が届いた。
箱を開けると、細長いガラスの容器にドレッシングのようなものが入っている。社長の手紙が添えられている。
-パクチー入りの醤油を試作してみました。よかったら召し上がってみてください。
ちょうどその日の夕食は、白身魚のフライ。さっそくかけて食べてみた。これでもかというくらいたっぷり入ったパクチーが、伝来のお醤油の味と馴染んでとても美味しい。
妻にもすすめてみた。あら、これ、好き。水餃子なんかにも合いそうね。
食事の途中であったが、お礼のメールを返した。
-ありがとう。パクチー堪能しました。量をケチっていないのがいいね。
-そうなんです。いま、売り文句を考えているんですが、こんなのどうでしょう?
「どっさりパクチー7束(100g)を入れたパクチー醤油」
-いいと思うけど、数字だとどっさり感がイメージできないな。7束って、実際にはどれくらいなの?
-ざっとですが、大人の片手で掴めないくらいの量です。
-うん、それならイメージできる。売り文句のあたま、こうしたらどう?
「どっさりパクチー7束(大人の片手で掴めないくらいの量)」
―なるほど!それでいってみます。
数字は絶対的なエビデンスと思いがちだが、感覚に働きかけた方がより良い場合がある。
パクチー醤油を少しかけ足し、わたしは残りのフライを口に運んだ。
株式会社楠城屋商店:楠城屋商店 (nanjoya.com)