このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。
未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。
ー 第7回 事故のないミライとは?
久々の外出にテンションが上がったけれど、1ヶ月乗ってないだけで車の運転に違和感を覚えるドライバーの皆さん!
ペーパードライバーの私は、電車を控えてマイカーにするか真剣に考える今日この頃。交通事故が一番の心配です。
でも、これの技術があれば、不幸な事故ともおさらばです。
特表2020-501227号(出願人:ナウト,インコーポレイテッド)
【発明の名称】運転者の注意散漫決定のためのシステム及び方法
【図面】
交通事故の多くはヒューマンエラーが原因と言われています。
ドライブレコーダーは普及しましたが、これは事故が起こった場合の”証拠”のためのもの。事故そのものを減らすことはできません。
一方で、ナウト社の特許技術をつかったドラレコは、事故防止を目的にしています。わき見運転や車間距離が保たれない状況を検知すると、ドライバーに警告を発します。導入したタクシー会社では、事故が50~70%減った実績もあるようです。
■未来コンパスが指すミライ
ヒューマンエラーによる事故は、自動車だけではありません。単調作業の繰り返しで、注意散漫になりがちな工場でも労災事故が起こります。
私は、新卒で日系メーカーに就職し、半年間の工場実習を経験しました。何百トンもの金属を加工する工場では、安全が最優先。常にスタッフが注意喚起をしています。でも、悲しいかなどんなに注意しても起きてしまうのが労災事故。当時、実習先の工場で死亡事故が発生しました。30度を超える暑い夏の日でしたが、事故が発生した棟だけは、雲がかかったようにドンヨリとしていました。二度としたくない経験です。
ナウト社のレコーダーは、常時ネットワークに接続していて、大量の生データを処理→解析→学習する、いわゆるAIです。工場に活用されれば、事故はもちろん「ヒヤリ・ハット」といった事故一歩手前の事例も学習し、ノウハウを蓄積します。
新人スタッフには、初めて遭遇するシーンでも、膨大なデータが血肉となっているAIレコーダーにとっては”既視感”のある危険な場面。スタッフが感じ取れない危険を回避することが可能です。
工場の安全性が高まれば、より優秀な人材が集まってきます。もはや安全管理の枠を飛びこえ、日本を支える工場の競争力の源泉に関わる話です。
AIが人間の仕事を奪うという未来ばかりが報じられがちですが、こういったAIと人間の協働というのが、現実的なミライではないでしょうか。
さてあなたは、こんなミライからどんな「小さなブルーオーシャン」をみつけますか。
この記事を書いた人
八重田 貴司(やえだ たかし)
外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。
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