このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。
未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。
ー 第96回 「BlocPower」
2月の電気/ガス代の高さに目が飛び出そうになりましたが、3月のそれが大幅に更新されて唖然としました。燃料費高騰の影響はすごいですね・・・。
光熱費カットへの想いは万国共通。というか、省エネ製品の普及が遅れている海外の方が渇望しているかもしれません。それをサポートする企業がこちらです。
米国出願第90787298号(出願人:BlocPower Energy Services 3 LLC)
【商標】
BLOCPOWER
【指定商品/指定役務】(抄訳)
建築物へのエネルギー効率の良い冷暖房システムの設置 エネルギー効率化プロジェクト用ソフトウェアの設計・開発 など
BlocPowerは、シミュレーションソフトを使って古いビルのエネルギー性能を可視化し、効率の良い電気機器を設置することでビルを省エネ化するサービスを提供しています。
アメリカの貧困地区においては、熱効率が悪い老朽化したビルがいくつもあり、「ガスコンロの熱で寒さをしのぐ」といった古いドラマの様な状況がいまも続いています。暖房設備があっても、石油やガスを使うものが主流で、環境負荷が非常に高いものです。年間10兆円に相当する化石燃料がビルの冷暖房に使用されていると言われています。
BlocPowerは、建物の構造データから空調効率の良い場所を割り出し、どのくらいエネルギー消費が減るかをシミュレーションします。効率の良いヒートポンプ式のエアコン(ダイキン製!)を設置することで、環境負荷を低減し、光熱費も減らします。実績ベースで、20~40%の電気代が節約されているとのことです。
未来コンパスが指すミライ
すごいのは、手元資金が無くても導入できる点です。ゴールドマン・サックスの融資がサービスに組み込まれているからです。ゴールドマン・サックスは、BlocPowerのシミュレーションによって元が取れると分かっているため、頭金なしにリースやローンを提供できます。ユーザーは、減らした光熱費から少しずつ返済すればOKという仕組みです。
単にサービスの質が良いというレベルを超えて、貧困層の購入を妨げるボトルネックの解消(今回のケースでは資金調達)までを一セットに提供する。ここまで出来る企業がミライに生き残るのでしょう。
この記事を書いた人
八重田 貴司(やえだ たかし)
外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。
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