この対談について
健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。
第24回 自然からの決別で「自分」になった人間。
第24回 自然からの決別で「自分」になった人間。
先日、久保さんがSNSにあげていた「自然から・分かれる」と書いて「自分」なんだという投稿。あれ、すごく面白い考えだなぁと思いまして。
ありがとうございます。人間の自我は、自然から決別することによってしか手に入らない。そういう考えを載せてみました。
久保さんは「自然」というものをどう捉えていらっしゃいますか? 私は、なにか私たちがもともと属していた「宇宙」というか、すべてを取り巻く「全体」というか、そういうイメージなんですが…。
そうですね、私もそういうイメージです。宇宙のすべては、もともと1つの「なにか」から出来ていると思っていて。じゃあその「なにか」とは、と考えたときに、素粒子なんじゃないかなと。
素粒子、ですか。
ええ。人間も動物も死んでしまうと肉体はなくなり、最終的に素粒子に戻ると思うんです。で、その素粒子は「なにか」に戻っていくのではないかと。
人間や動物は、死ぬことによって「なにか」、つまり自然の中に再び戻っていくと。
はい。そしてその「なにか」の中にある状態では、何一つ「我」というものは持っていないんだろうなと。でも、再び人間や動物として形をもって生まれたとき…つまり「自然から分かれた」ことで、「我=自分」ができる。そう考えています。
あぁ、なるほど。その「なにか」って、私たちの「起源」でもあり、「戻る場所」でもあり、私たち自身でもある。そのような捉え方でいいでしょうか?
そうですねぇ。なかなかその概念を伝えるのは難しいですが(笑)。
「自然」と「自分」との関係性を考えていて、ちょっと思い浮かんだんですが。久保さん、「エヴァンゲリオン」ってご存知ですか?
すみません、知らないです。もちろん名前は聞いたことありますが。
詳しく説明しようとすれば何時間もかかってしまうので詳細は割愛しますが(笑)。エヴァンゲリオンというマシンで戦うわけですが、これが有線でつないでないと動かないんですよ。
電源ケーブルのようなもので繋がれているんですか? それじゃあ戦いづらそうですけど(笑)。
そうなんですよ。ケーブルが取れてしまえば、もう機体の中に残っているエネルギーの分しか動けない。逆に言えば、ケーブルが切れたときに初めて、自由に動けるんです。
あ、なんかわかってきましたよ。人間もエヴァンゲリオンのように「なにか」から切れたときに、自我を持って動けるようになると。
そうなんです。「なにか」につながっている人間は、そのつながりを断ち切らないことには、本当の意味でこの「物理世界」を楽しめないのではないかと思ったんです。
なるほどなるほど。「なにか」から独立して初めて、楽しさや怖さを体験できるわけですね。
仰る通りです。本来であれば「なにか」とつながっているはずなんだけど、それを断ち切ることで、つながっている時には経験できないことが経験できる。……ただしその反面、相当なものを失っている気もするんですけど。
ほぉ、何を失っているんでしょうか?
他の動物には見えているものが見えなくなってしまったりとか。「自我」を手に入れたことで、本来持っていたはずの能力を失っている気もするんです。
なるほどなぁ。ではなぜ私たちは「なにか」から離れているんでしょうか。
おそらく、この宇宙全体の「総意」として、このつながりを1度断ち切った経験をしておくことが大事だ、とされているんじゃないでしょうか?
ああ、結局人間は、そういった宇宙の仕組みの中で生かされている存在なんでしょうね。そういえば安田さんは以前、「人間の魂はずっと人間として生まれ変わり続けていくだろう」って仰っていましたよね?
ええ。人間として生まれ変わりながら学ぶべきことは全て学んだ。これで卒業だ、となったら「なにか」の中に戻っていくのではないかという気はしています。
私は以前にもお話しましたが、「人間も動物も関係なく生まれ変わっている」と思っていて。
前世で動物だった魂が、現世では人間になるということも起こり得ると?
はい。そうではないと、かなり不平等だなと思うんです。
ほぉ、なぜそう思われるんでしょう?
たとえば生まれながらに貧富の差があったり、容姿も様々だったりしますよね。もしくは子どもの頃から真面目に一生懸命頑張ってきたのに、突然事故で死んでしまったり。私はそれって理不尽だなと思うんです。
前世での行いによって、現世でなにに生まれ変わるかが決まるのではないか。そういうことですか?
そうそう。そう思わないと納得できない気がするんです(笑)。
それでいうと、私は前世や現世がどうこうというよりは、この「物理世界」という閉じ込められた価値観の中でいろいろ体験を積んでいるんじゃないのかなと思いますね。
「なにか」から切り離されて、あえて不自由さを体験しにきているイメージですか?
ええ。だから「物理世界」では一見理不尽に思えるようなことでも、「なにか」という大きな枠の中では、実はそれほど大したことではないかもしれません。
ゲームのように、あえて厳しいルールの中に飛び込んで、それをどうクリアするかを試されているかもしれないですね。
ええ。この世界で生々しさを実感しながら体験することに何らかの意味があり、その経験を魂に刻んでまた「なにか」に戻っていくのではないか。私はそう思いますね。
なるほど。実際のところはどうなっているのか、早く死んで確かめてみたくなりました(笑)。
対談している二人
久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家
仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。